社会人の基本は「報告・連絡・相談」の「ホウレンソウ」です

東京都は築地市場が移転する予定の豊洲市場の主要施設の下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題で、小池百合子東京都知事が先月30日に記者会見を行ない、「責任者を特定することは難しい」とする調査結果を発表した。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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「社会人の基本は、ホウレンソウ」。言わずと知れた「報告・連絡・相談」ですね。

新しく着任した上司が「この部はホウレンソウがなってない!」と怒ったのが今回の豊洲を巡る問題なのでしょう。

築80年以上を経て施設の老朽化が進み、衛生面での問題も指摘されている築地市場を使い続けるのは、やはり安心できません。そこで、移転先の豊洲の汚染された土壌をきれいにした上で盛り土で蓋(ふた)をするという説明だったのですが、実際は建物の下が空間だった、と。

それがいつどのような経緯で決まったのかが曖昧で、公開している都の資料にも書かれていなかったのですから、知事に対しても都民に対してもホウレンソウを怠ったんですね、誰かが。その「誰か」を特定できないというのでは、「おいおい、この組織、大丈夫か?」と心配になります。

で、結局のところ知りたいのは「現在、汚染はきちんと取り除かれているのか?」「地下に空間を設けるのと盛り土をするのはどちらが安全なのか?」「ホウレンソウ体系はちゃんと見直されたのか?」の3点です。私も住民登録していますから、一都民として切望する次第です。

●小島慶子(Kojima Keiko)タレント、エッセイスト。都民歴41年。豊洲といえば、今や新興セレブ主婦の聖地ですが、今度のことでとんだイメージダウンですね。西の横綱、二子玉川セレブ主婦が勢いづきそうです