支店やATMが近くにあるのが地銀のメリットだが、キャッシュレスが進むなか銀行のビジネスは厳しくなる…

マイナス金利が騒がれ、銀行の存在意義が問われている。

ネットバンキングが使える今、特に地方銀行のメリットが問われるが、それについて『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が銀行の未来について議論した!

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ひろ 僕、ATMで手数料を払ってお金を引き出す人って、アホだと思うんですよ。だって、1千万円を1年間預けて、やっともらえる100円程度の利子を1回の引き出し手数料でなくしちゃうわけですから。

ホリ だよね。今はマイナス金利が騒がれているけど、超低金利と手数料のせいで、個人の預金は実質的にマイナス金利になってるのが現実だよ。

ひろ 日本の人って、なんでそんなに銀行にお金を預けたがるんすかね?

ホリ だから今、銀行の存在意義が問われているよね。特に地方銀行。金融庁の試算によると、9年後に地方銀行の6割が貸し出しや投資信託などの本業で赤字になるっていうニュースがあった(2015年3月期は地銀の4割が赤字)。

ひろ そもそも、今の時代に地銀がある理由とか不明ですよね。地銀を使うメリットって、近くに支店とかATMがあるからとかだと思うんですけど、今ってネットバンキングが使えるし、コンビニにATMもあるから、メガバンクでもいいはずなんですよ。

ホリ だね。

ひろ すると、情弱の人が地銀を利用することになっていくのでマーケットはだんだん小さくなる。あと、地銀には地元の産業や企業に融資するという役割があると思うんですけど、ネットバンキングとかをやってない地銀を利用するような古い知識で、地方で事業を起こして成功する時代じゃないと思います。

ホリ もちろん、地方でがんばっている企業はたくさんあるけど、ネットとかほかの銀行と比較すらしない経営者はダメってことね。

ひろ ですです。ネットを知らない人が地方で成功するって、相当な無理ゲーだと思いますよ。

ホリ それに、地銀は地元の企業に山のように融資してるから、そういう会社は地銀が苦しくなって融資が切れたりすると倒産一直線だったりするね。

ひろ あと、地銀だけじゃなくてメガバンクも振り込みや送金手数料の一部を上げることを示唆していたりしますから、銀行業そのものが今後どうなっていくのか…。

◆後編⇒『日本の銀行は生き残る? ホリエモン×ひろゆきが「損してる!」と呆れる手数料ビジネス』

●西村博之(にしむら・ひろゆき)1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『本音で生きる』(SB新書)が好評発売中

(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)