週プレNEWS TOP 連載コラム "本"人襲撃 江戸時代の“漂流民”と現代の“草食系若者”にある共通点 「生存のために無駄なものをそぎ落としている?」

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江戸時代の“漂流民”と現代の“草食系若者”にある共通点 「生存のために無駄なものをそぎ落としている?」

[2016年10月18日]

「無人島にたどり着いた漂流者は、あらゆるものをどんどんそぎ落としていく。よけいなものをためこまない現代の若者にも同じことが言えると思います」と語る高橋大輔氏

東京から600km南にある絶海の孤島、鳥島(とりしま)。江戸時代には、あのジョン万次郎をはじめ、多くの日本人が漂着した不思議な島だ。

漂流民が残した伝言を頼りに現地調査を重ね、『漂流の島 江戸時代の鳥島漂流民たちを追う』を上梓した探検家・高橋大輔が“漂流”を語る。

* * *

―高橋さんは脱サラを経て足かけ13年目の2005年、ロビンソン・クルーソーのモデル(スコットランドの航海長アレクサンダー・セルカーク)の住居跡をチリ沖の島で発見しました。その後も日本の「漂流の島」である鳥島の調査を続けています。なぜそこまで漂流にこだわるんですか?

高橋 最初は単なる好奇心でした。セルカークについて調べ始めて驚いたんですが、作者デフォーの故郷イギリスに行っても、クルーソーに実在のモデルがいた事実をほとんどの人が知らない。セルカークがどんな場所で漂流生活を送っていたのかもまったく知られていませんでした。それを突き止めれば世界中の人々をあっと言わせる大発見になると思ったんです。

―若者らしい功名心ですね。

高橋 ええ、この世に自分が生きた痕跡を残したかったんです。それでセルカークの住居跡を探し始めました。

―地下2mから、航海士の使うディバイダー(測図に使う2本針のコンパス)の欠片(かけら)が発掘されたのが決め手となり、その場所が特定されます。

高橋 あのときは極点に立った気分でしたね。とうとうやった、と。でも、そのときにふと思ったんですよ。ジョン万次郎に代表される日本の漂流者たちのことを。小説の中でクルーソーは28年間無人島で暮らしますが、実際にセルカークが島で過ごした歳月はわずか4年4ヵ月。ところが、日本の「漂流の島」として知られている鳥島に漂着した土佐や遠州の漂流者たちのなかには、19年以上、無人島生活を送って生還した者がいるんです。セルカークに断然勝っている。

―世界最強の漂流者は日本人だった。それも舞台は東京都の離島。聞いているだけでゾクゾクしてくる話ですね。

高橋 漂流者たちがどんな風景の中で19年以上もの歳月を生き抜いたのか、自分の目で確かめたかったんです。鳥島はアホウドリの保護区として立ち入りが禁止されていましたが、伝手(つて)を頼ってなんとか上陸しました。そして、漂流者たちが住居にしていた可能性の高い洞窟をふたつ発見することができたんです。


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