ドラフトや日本シリーズで盛り上がる世間をよそに、水面下では早くもストーブリーグがスタート!

ともに鳴り物入りでスター監督を迎えたものの、苦しい戦いを余儀なくされた巨人阪神。例年よりやけに早く、水面下で両球団が動きだしていた! 

前編記事の巨人に続き、早くも突入した伝統球団のストーブリーグの行方を予測する。

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阪神はシーズン中から楽天の捕手・嶋基宏の獲得が噂されてきたが、嶋は先日残留を発表。また、ほとんど首位争いに絡めないままBクラスに終わったにもかかわらず、実はそれほど大型補強に熱心ではないとの声もある。在阪テレビ局関係者はこう打ち明ける。

「スポーツ紙がやたら騒いでいますが、実は、阪神はFA補強にあまり乗り気ではないようです。過去、さんざん大物を獲っては生え抜き選手の育成をなおざりにし、ファンから反発を食らってきたことの教訓もある。嶋にしても、阪神ファンの間ではむしろ獲得に否定的な声も多かったですしね。その代わり、このオフは新外国人やドラフトでの補強にウエートを置いているようです」

捕手は生え抜きの成長に期待するとなれば、阪神の補強ポイントはどこになるのか?

「なんといってもサードと守護神。特にサードに関しては、今年はシーズン途中に不動のショートの地位を“剥奪”された鳥谷敬ら複数人の起用で回してきましたが、来年はここに4番を打てる外国人を据えたいとの意向があります。現在はドジャースからFAになっているゲレロらをリストアップしているようです」(在阪テレビ局関係者)

さらに、外国人ではゴメスの残留も微妙だという。

「阪神が2年前からマークしている、現在、韓国リーグでプレーするテイムズという左のスラッガーがいます。ソフトバンクも関心を示しているため、獲得できるかどうかはわかりませんが、2年連続40本塁打の長打力に加え、昨年は40盗塁と足もある。彼が中軸に座れば打線は面白くなるかもしれませんね」(在阪テレビ局関係者)

対照的な両球団に疑問の声

ひと昔前の大補強路線に回帰しそうな巨人と、若手育成&外国人重視の阪神。まさに対照的な両球団だが、こんな疑問の声もある。

「巨人の問題は高橋監督の個性がいまだに出てこないこと。シーズン中は選手が好調なら勝ち、不振に陥れば負け、の繰り返しで、オフの補強の話もほとんどフロント任せ。こんなチームにしたいという監督のビジョンが一向に見られないのは、ファンとしてはどうなんでしょうか。

逆に、阪神は方針こそはっきりしていますが、星野元監督の言葉を借りれば『外国人選手はクジみたいなもん』。当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦の助っ人に命運を託すのはかなりハイリスクです。

捕手の問題にしても、育成という方針自体はファンも納得するでしょうが、そうはいっても正捕手が固まらなければチームが優勝争いに加わるのは難しいと言わざるをえません」(スポーツ紙デスク)

ともあれ、ドラフトや日本シリーズで盛り上がる世間をよそに、水面下では早くもストーブリーグがスタート。虚々実々の駆け引きは今後も見逃せない。