松山市の城山公園で開催された「ゆるキャラグランプリ」

日本一の座を目指し、あまたのご当地キャラが争う「ゆるキャラグランプリ」。今年も11月5、6日に松山市の城山公園で開催され、1421体がしのぎを削った。その結果、ゆるキャラ界の頂上を極めたのは、434万5960ポイントを獲得した「しんじょう君」(高知県須崎[すさき]市)。

だが、誰もがトップを目指す「ゆるキャラグランプリ」に、もうひとつの戦いがあることは意外と知られていない。それは最下位争いだ。

ここまでゆるキャラが多いと、100位、200位に食い込んでも目立たない。しかし、ビリなら別。「どんなゆるキャラなのか?」と、逆に人々が興味を抱いてしまうのだ。

というわけで、週プレは0ポイントで見事、最下位に輝いた「いるティー」のいる埼玉県入間(いるま)市観光協会を直撃。すると、「最下位っておいしいですよね。こうやって取材してくれるんですから」(入間市観光協会)と大喜びしているではないか!

ただ、喜びの声もそこまで。実は「いるティー」はシステムのミスで0ポイントになっただけで、実際には9067ポイントの255位だったことが判明。そのため、いるティーからの正式コメントをもらえるはずだったが一転、「コメントは差し控えたい」との連絡が。

そこで本当のビリキャラ(同ポイントで7体が選出)のひとつ、「牛ゴロウ」(佐賀県小城[おぎ]市牛津芦刈[うしづあしかり]商工会青年部)に敗北の弁を聞いてみると、「いや~、最下位はおいしい」と、「いるティー」と同じコメントをくれるではないか! 「牛ゴロウ」が続ける。

「中途半端な順位になるよりは、いっそビリが面白いゴロウ。大きな自治体のゆるキャラは職員もたくさんいてポイントも稼げるけど、ぶっちゃけウチみたいな小さなところは職員も20人ほどで、高得点は望めない。だったら、逆に最下位のほうが注目を浴びる分だけ、コスパが高いゴロウ」

来年の「ゆるキャラグランプリ」は、ビリ狙いのキャラが殺到したりして(笑)。