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『笑点』6代目司会・春風亭昇太が語る「テレビで落語をやらない理由」

[2016年11月20日]

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タブーを破り、初めてメガネをかけ高座に上がった落語家・春風亭昇太。昔から「飄々とパンク」なのだ

首都圏の落語会は月1千件以上と10年前の倍、20代・30代ファンも急増中と、落語ブームが訪れている。

その立役者であり、落語人気を支え続けた長寿番組『笑点』の新司会となって注目の春風亭昇太を直撃。『笑点』で落語をやらない理由は? 今面白い落語のカタチとは? あと、結婚しない理由は?

■『笑点』はテレビで、落語はナマで

―『笑点』の司会、見ていてとても楽しそうですが。

昇太 う~んっとね。「僕だったらこうしよう」って考えてもしょうがないんですよ。もう図式が変わっているので。

―図式?

昇太 例えば、初代司会の立川談志師匠、4代目司会の先代の三遊亭円楽師匠、先代司会の桂歌丸師匠って、大喜利メンバーにとっても落語界の先輩だったんですよ。でも今は大喜利のメンバーにとって、僕は後輩ですからね。だからその場の自然の流れに任せている感じですかね。まぁメンバーは全然、僕に気を使ってくれないですけど、変な生き物を見ているみたいで楽しいですね。

―最近はお笑い芸人もテレビで大喜利をやっていますが、落語家ならでは、と意識する点はありますか?

昇太 今の大喜利のメンバーって、30年前に僕が楽屋でお茶を出していた頃からお互いに知っているんです。おかげで信頼関係は強いですよね。大喜利でメンバー同士が悪口を言い合っても大丈夫な人間関係ができあがっているんだと思います。

―確かにイヤな感じは皆無です。で、素朴な疑問ですが、どうして『笑点』は落語家が集まっているのに落語をやらないんですか?

昇太 『笑点』は大喜利番組ですし、落語の面白さはテレビでは伝えるの難しいんですよ。たまにBS『笑点デラックス』やテレビで落語をやっていたけど、あれは落語を「生」で見たことがある人たちが楽しめるもので、というのは今のテレビ演出って、視聴者にあらゆる手段を使ってわかりやすく伝える媒体じゃないですか。出演者が日本語でしゃべっているのに、画面の下に日本語のテロップが出たりする。あれって見ている人が想像しなくてもいいようになっていて、それがテレビの素晴らしいところですよね。

でも、落語ってお客さんに想像してもらって初めてお客さんの頭に「絵」が浮かんで楽しめる芸能なので。だから、落語とテレビって真反対にあるんだよね。落語を聴くならテレビよりラジオのほうが面白いと思うけど、やっぱり「生」で聴いてもらわないと、本当の魅力は伝わらないと思います。

―なるほど。

昇太 じゃあ、なんで落語って何百年も残っているかというとね、「あれ、むこうからいい女が来るね」と落語家がしゃべりますよね。それを聴いたお客さんたちはそれぞれの「いい女」を想像するわけですよ。お客さんが自由に想像できるのが落語の最大の強みであり、面白さなんです。

ただ、テレビみたいに想像しないことに慣れている人が増えているから、今までどおりの落語では伝わりにくくなっているのも事実で、だから僕はちょっとオーバーな演出で落語をしゃべっていますね。


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