結婚適齢期だけど運命の相手に出会えないのが悩みの手島優(右)&小林恵美(左)がブサメン芸人・くじらに恋愛相談

誰も知らない、その世界(釣りやビリヤード)では有名な人のモノマネをネタとし、細々と活躍していた芸人・くじらが、今や多くの人々の恋の悩みに答える“恋愛マスター”としてツイッターで大人気となっている。

その勢いで『アメトーーク』(テレビ朝日系)にも出演を果たしたが、本人のルックスは水木しげる記念館主催の「妖怪そっくりコンテスト」(2010年)に“雨ふり小僧”の仮装で挑戦し、グランプリを獲得するほどの“妖怪フェイス”。すなわち、ブサメン(断言)。

それでも女性の心に響く「恋愛の言葉」を紡ぎ出せるのはなぜか!? というわけで、前回の本人直撃インタビューに続き、今回は結婚適齢期だけど運命の相手に出会えないのが悩みのグラドル・手島優&小林恵美が、くじらに恋愛相談してみたっ!

―3人は面識があるんですか?

手島 あります。私はレギュラーのビリヤード番組(テレビ神奈川「ビリヤード8」)で一緒なので、ビリヤードがうまいおじさんだと思ってたら、今日は恋愛ネタと聞いて、えーって!

小林 私は次に付き合う人とは結婚を考えたいんですけど、それを浮気が原因で離婚したっていう、くじらさんに相談乗ってもらってもと思って…。

くじら ハナからそんなテンションで相談にきてるの!?

小林 だって、いいウワサ聞かないし。サイコパスって聞きましたよ(笑)。

手島 なになに、サイコパスって?

小林 人の気持ちがわからない人っていうか。 (※注:反社会的な人格となる心の病気の一種です)

手島 やべーヤツじゃないですか(笑)。

くじら ちょっと待ってよ。相談の仕事なのにサイコパスはやりにくいでしょ!

―そうですよ、今日は恋愛相談ですから(笑)! で、小林さんから出ましたが、結婚適齢期の女子にありがちな「次に付き合う人は結婚」と思うのはありですか? それともなし?

くじら 先に条件を突きつける始まり方の恋愛はよくないですよ。愛はいつだって無条件だから、条件を先につけると盛り上がっていかないし、最初に言うべきではないんです。

小林 3~4年付き合って、「そもそも結婚なんて考えてなかった」って言われたら、どうしようと不安になるじゃないですか!

くじら 結婚はゴールじゃないから。その先も続いていくもんだから、結婚で何かが終わると考えるんじゃなくて、ただの制度。恋愛は結婚よりも大きな枠組みなんです。

始まる前に審査する意味がない!

手島 誰も結婚が終わりとは言ってないよ! でも、世間的には40歳近くにもなってバツでもないと、問題あるように思われそうでイヤ。そう思われたらどうするの?

くじら そう思う人はあまりいい恋愛をしてきてない人だと思う。そもそも相手に対して先入観をもって接する人なんだから。勝手に決めつけているの。それに、恋愛は全員違う。人の数だけあるもの。付き合ってみないと、自分のいいところも悪いところも見せられないんだから、始まる前に審査する意味がない…って、何、笑ってるんですかっ!

―説得力ある、いい声されているんですが、真正面から語っているお顔を見ていると、よくそんなコト喋れるなぁ…と思ってしまい、つい(笑)。

くじら つい、じゃないでしょ! あなたがボクを呼んだんでしょうが!

―すいません! 続けましょう~。

手島 ウチら34歳だから、相手のほうが「コイツ、結婚したがっている」と思っているはずなんですよ。そのへんを誤魔化して、軽く付き合うテクニックってあるんですか?

くじら 逆に「そんなに重く考えないで」とか言う。思っていることは、相手にどんどん伝えたほうがいいと思う。

小林 そうはいっても、本心では結婚したいから「このコ、結婚しないんだ」と思われても、それはそれで困っちゃいますよね…。

くじら それも伝える。全部さらけ出す。それが”自分”なんだもん。

小林 嘘をつくなと。

くじら そう。嘘をつくほど後になって相手が「アレ?」と思って、乗り越えることが多くなるから。思いを伝えて、「それでもいいよ」と言ってくれる人と愛を育んでいけばいい。駆け引きのテクニックは邪魔になるだけ。むき出しの自分を最初にぶつけて!

手島 こう見えて私、グイグイいけないし、くじらさんが言うように好きな人や男性の前では自分をさらけ出せない。これって、どうすればいいんですか?

くじら 自分のことを好きになる。

小林 なるほどー。そういうことか!

手島 え、でもどうやって、自分のことを好きになるんですか?

くじら ……俺自身のこと?

手島 いや、人って謙虚に生きたいのもあるわけじゃないですか。自分を好きになれるって、相当な自信がおありで!?

くじら 自分を好きになることは、図々しいことじゃないんですから。自分のことを好きになれば、人のことを愛せるから。自分のことを好きじゃない人って、人のこともあまり愛せないよ。

彼氏が浮気したなら、捨てればいい

小林 くじらさんは自分のどこが好き?

くじら 全部好きだよ。

小林 顔も(笑)?

くじら 顔も好きだし、鏡でずーっと見てられるよ。ちょっと! 隙を見て悪口言おうとしてるでしょ(笑)。それはともかく…自分で自分のことを認めてあげないと、自分が存在する理由を他人に求めていくから。そうなったら、愛を求める一方になる。

いかに自分が相手に愛を与えられるかが恋愛でしょう。自分を嫌いなクセに「自分を愛して」なんて都合がいい話はないですよ。

小林 私の悩みといえば、相手の浮気疑惑があった影響なのか、100%信じられないこと。ラインがすぐ戻ってこないとモヤモヤしちゃったりするせいか、恋愛すると苦しくなることが多いんですけど、どうすれば信頼できるの?

くじら 相手を信頼するより、小林さんが自分で自分の人生を充実させればいいんですよ。充実すれば、その不安がどんどん薄くなると思う。で、彼氏が浮気したなら、その人を捨てればいいだけ。

小林 好きな人のこと、そんなにスパッと切れなくないですか?

くじら いやいや、ちゃんとしている人だったら、そんなことをしないし。スパッと切れないのは、ちょっと依存しているのかもしれないね。

小林 あー、それはあるかも。

くじら 自分の人生を少し彼のほうに向けているから「いろいろしてあげたのに…」だとか、「もったいない…」とか寂しい気持ちも芽生えて依存しちゃう。だけど小林恵美として素敵な人生を歩んでいれば、彼とダメになっても自分を持っているからブレない。

小林 そっかー、今、ちょっといいこと言ってる(笑)!

くじら なんで俺、オーディションみたいなことになってるのっ!

小林 確かに彼に合わせて、彼の人生を歩んでいることはあるかも。

くじら 女の人は多いと思う。でも、絶対に相手に合わせちゃいけない。自分の人生にガーッと集中して、歩んで、相手に「この人、素敵な人」と思わせ続けることが大事。そうすれば相手も関係を切らせたくないから、浮気はしないだろうし。

手島 女のコ側に余裕があれば、相手は浮気をしないのか~。恋愛すると、余裕がなくなっちゃうけどね(笑)。

くじら 恋愛って、お互い顔を向き合うことだと思っているかもしれないけど。最初はいいんだけど、ちょっと経ったらお互いが同じ方向を向いて歩んでいかないと。そうしないと依存にもつながるからね。

100%で付き合うと、減点する一方

手島 くじらさんって、フラれたことあります?

くじら あるよ。

手島 落ち込みます?

くじら 落ち込まない。

小林 サイコパスだから(笑)?

くじら だからサイコパスに落とし込まない!

手島 そっか…。私、3~4年も落ち込む。すっごい引きずって次にいけないんですよ。まさに今、そんな感じなんですけど、どうしたらいいんですか?

くじら 無理にでも次の恋愛を始めたほうがいい。恋愛は常に見切り発車で始まるものだから。

2人 えーーー!? できない!

くじら だって、最初は相手のことはわからないでしょ? そもそも“好き”って気持ちは幻想だと思う。「彼が好き」と言っても、付き合ってないんだから全部を知らないわけで。好きだと思っているのは「あの彼はきっとこういう人」という思い込みだと思うの、俺は。顔が好みとかだったら、見切り発車で恋愛を始めて付き合ってみたらいい。

手島 ヤダ、そんな簡単に! しかも、選んでくれないかもしれないし。

くじら 選んでもらえなかったら、それはそれ。最初に100%好きはないでしょ。付き合いが長くなるほどに、相手のことを知って「コレもアレも受け入れよう」ってことが、愛情なわけだから。

手島 ふーん。

くじら こんだけ語って、まだ届いてない(笑)! 最初は思い込みだと思うんだよね。それでも後で100%になればいい。

手島 ふーん。

くじら あのね、「この人は私にとって100%なんだ」と思って付き合うと、減点する一方だからね。先入観なく付き合うと加点法になっていくから。

手島 でも100%じゃないと、やっぱムリ。

くじら れで付き合うと、「思っていたのと違う」になるでしょ?

手島 んー……。

くじら 例えば、普段の俺を知らないから、俺のことはわからないでしょ。好きだと思う人もそれと同じ。

手島 それはわかろうとしてないから…あ! 昨日は考えましたよ。

くじら それ、ただの仕事の話だろ(笑)。

●続編⇒『話題のブサメン“恋愛マスター”くじらが男運のないグラドル・小林恵美に「もっとフラれていい!」とダメ出し?』

(取材・文/渡辺しかし 撮影/松井秀樹)

くじら1975年4月12日生まれ。東京都出身。ビリヤードやダーツ、バスプロの有名選手らのマニアックなモノマネを得意とするものまねタレント。Twitter@Quddilaの【くじらの恋愛相談】が「的確すぎる」と注目を浴びている。

小林恵美こばやし・えみ)1983年1月1日生まれ。東京都出身。『LaLaLuxe』(LaLaTV)、『パチFUN!』(テレビ愛知、テレビ埼玉)に出演中。

手島優(てじま・ゆう)1982年8月27日生まれ。栃木県出身。『とちぎ発!旅好き!』(とちぎTV)レギュラー。グラビア・バラエティ・ドラマなど幅広いジャンルで活躍中。