メジャーデビュー25周年を迎え、ますます精力的に活動するオリジナル・ラブの田島貴男さん

今年、メジャーデビュー25周年を迎え、ますます精力的に活動するオリジナル・ラブ。

4月には、若手バンドCeroやペトロールズをゲストに迎え、初めてとなる主催イベント「Love Jam」を開催。6月にニュー・シングル「ゴールデン・タイム」もリリースした。

また田島貴男ソロとしては、「弾き語り」ライヴと「ひとりソウルショウ」をコンスタントに開催し、フットワーク軽く全国各地を飛び回っている。

実は、田島貴男と『週刊プレイボーイ』は同じ1966年生まれ。そこでエネルギー満ち溢れる同級生である彼を直撃! 前回配信した「『接吻』誕生の秘密『ラブソングを通らずに何が表現だ!』」に続き、「音楽の話」についてはもちろん、「これから」や「本気すぎる趣味」についてまで語ってもらった。

―現在の1日の生活サイクルってどんな感じなんですか?

田島 朝9時くらいに起きて、11時くらいにアトリエについて曲の制作とリハーサル。昔は深夜2時3時までやったり、徹夜したりとかありましたけど、最近は遅くならずに帰宅しますね。そして、週末は大体、ライブです。昔は年間ツアー2本やってアルバム1枚作るというシンプルなサイクルでしたけど、とにかく今のミュージシャンはライブをたくさんやることが日常ですから。僕は曲もアレンジも全部ひとりでやるから、あっという間に1年が埋まっちゃいますよ。

―音楽以外の趣味なんてあるんですか?

田島 今は時間がないからなかなか趣味を持てないけど、ずっとジョギングやったりボクシングをやったりしてましたね。

―ボクシングを!

田島 うん。35歳に始めて9年通いました。週4、5回ジムに通ってたこともあった。それこそプロになりたいとも思ったし。

―え~っ、そこまで。

田島 あとオートバイにも一時期、ハマってましたね。最初はハーレーでツーリングしてたんだけど、そのうちモトクロスにハマっちゃって。毎週末、朝の3時くらいに出て、川越市やいわき市のモトクロス場まで行ってね。終いには断崖絶壁のようなコースを登ったり、下ったり。モトクロスって、怪我することなんかちっとも珍しくないスポーツだからさ。やってる途中にとんでもない世界に飛び込んじゃったなぁって(笑)。

―激しすぎます! 常に鍛えたり、フィジカルへの渇望のようなものがあるんですかね。

田島 ありますね。僕は肉体的に音楽をやりたいと思ってます。頭で作って聴くんじゃなくて体が動くような音楽。19歳の頃からソウル・ミュージックに興味を持つようになって、体から湧き出てくる音楽こそ本当の音楽だと思うようになった。体が動きだすようなポップスがいいなと。(バート・)バカラックだってそうだよね。ポップス界のすごいメロディ・メイカーだけど肉体的だもん。彼がライブで歌ってる姿を見て本当にそう思いました。

これからがゴールデンタイムだ

―オリジナル・ラブといえば、オシャレな音楽のイメージもあるので、そこまで肉体にこだわるのはちょっと意外というか。

田島 デビューして今年で25年ですけど、いまだに「そのイメージは違います」と言い続けなければならないこの現実(笑)。僕の音楽を聴いてほしいし、一度でもいいからライヴに足を運んでほしいです。

―す、すいません…。

田島 今の時代、ネットでなんでもすぐ検索してわかったような気になれるけど、音楽を聴かずにイメージだけで判断されてしまうのは悲しいですね。音楽はサムネイルみたいにそのアーティストを選り分けるものじゃない。音楽は感動を与えるもの。それを一生かけて作るのが俺の仕事なんですよね。

―今年はプロデビュー25周年で、6月にアニバーサリーシングル『ゴールデンタイム』をリリース。詞には「朝日のあたる道」とか「風の歌」といった過去作のタイトルを入れるなど集大成的なムードも感じます。

田島 生きていればそれなりにいろいろやることがいっぱいありますから、振り返る時間はなかったりするんですけど、アニバーサリーってコンセプトをもらったんでね。デビュー前に聞いてたパンク、ニューウェイブを改めて聞いてみたんですよ。そうしたら、当時より音楽の知識も増えてますから「これはジャズのコードなんだな」とか、より深く楽曲を理解できたり、新しい発見もあって楽しめました。

振り返りから始めたけど、「今の俺は、前の俺よりもっと良い曲が書ける、これからがゴールデンタイムだ」って作品ですね。

―まだまだ行くぞと。今後の目標はありますか?

田島 人生に目標を立てる人と立てない人っているけど、僕はあまりきっちり立ててこなかったなと(笑)。でも、まだ良い曲を書き続けたいです。そして最高のライヴをやっていきたい。いつも自分の中の大問題は新曲をどうしようってことなんです。ギターと歌はやればやるほど上手くなり、経験がものを言うんだけど、曲作りだけは初心者のまま。やってもやっても次どうしようってなるんです。

でもだからこそ、自分が書いたことのないタイプの曲が生まれてくる可能性もあって、ワクワクするんです。

(取材・文/大野智己 撮影/井上太郎)■田島貴男(たじま・たかお)1966年4月24日生まれ 東京都出身。1985年、田島貴男を中心にバンド“レッドカーテン”を結成し、1987年にバンド名をオリジナル・ラヴに変更。1991年にアルバム『LOVE! LOVE! & LOVE!』でメジャーデビュー以降、「接吻 kiss」「朝日のあたる道」「プライマル」などのヒット曲を生む。今年6月にはメジャーデビュー25周年記念となるシンングル「ゴールデンタイム」をリリース。○現在、「田島貴男 ひとりソウルツアー 2016」を開催中。来年2月からは「弾き語りツアー 2017」をスタートさせる。詳細は公式ホームページhttp://originallove.com/、公式Twitterでチェック!