写真は熊本地震で倒壊した家屋。もし、首都圏でこのような巨大地震が起きたらどうなってしまうのか

千葉、茨城、埼玉、そして東京。今年、首都圏でも特にこれらの地域を震源とする地震が70回以上も起こっていることをご存知だろうか?

災害史や災害予測を専門とする立命館大学の高橋学教授が語る。

「今後、『茨城、栃木、埼玉、東京の内陸部』と『東京湾』で、首都圏直下型の地震が起きる可能性があります。特に後者は津波も起こすため、とても厄介です」

実際、昨年、東京湾を震源とする地震は14回発生していて、最大震度は5弱。今年も9月に震度2の地震が記録されている。いつ東京湾を震源とする巨大地震が起きてもおかしくない状況なのだ。

では、実際に首都直下地震が起こるとどのような事態になるのか。災害・危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は次のように語る。

「首都直下地震では、津波は最大2m強と想定しています。なぜか、今の堤防の高さで防げるくらいまでしか来ないという想定です。しかし、地震で2mくらい地盤が沈下することがありえるし、そうなれば海岸沿いに津波は押し寄せてきます」

さらに、前出の高橋学教授も指摘する。

「地下街にある階段はおよそ30度の角度で、ここに10cmの水が流れ込むと、水の強い勢いで、女性やお年寄りは上れなくなり、30cmだと若者でも上れなくなります。もし、東京湾で地震が起きれば、3分以内には津波がやって来るでしょう。そして30cmの水が流れ込むと逃げ場がなくなり、溺れ死ぬことになります。地下街で働いている人は、大きな地震が起きたら、すぐ地上に出たほうがいいでしょう」

首都圏でも、やはり津波による被害には十分な対策が必要なのだ。

発売中の『週刊プレイボーイ』51号では、首都直下地震で起きる10大パニックを、専門家の意見をもとに完全シミュレーション。是非ご覧いただきたい。

(取材・文/村上隆保 取材協力/有賀 訓 熊谷あづさ)

■週刊プレイボーイ51号「首都直下地震で起きる10大パニック!」より