海底美術館にいた子供の像。小さいものについ親近感が沸くマリーシャ

世界屈指のリゾート地、メキシコのカンクンといえば、やっぱりカリブ海! ピンクレイクだけではなく、海底美術館(MUSA)にも行ってきました。

この海底美術館は、年間約75万人の観光客が訪れるカンクンで、珊瑚の破壊が深刻な問題となっていたため、それを守るために始まったプロジェクト。

ちょっと怖さすらある神秘的な海底の美術館は、シュノーケルやグラスボートなどの水面からも拝めるそうだけど、せっかくなのでダイビングでGO!

しかし当日はあいにくの天気で、暗雲漂う空と波立つ海に緊張し、私はソワソワしていた。

ダイバーマリーシャ、海底美術館へいざ探検!

ダイビングのライセンスを取ったのは十数年前。とっくに機材の使い方も忘れている中、今年、一時帰国の時に久々に上級者と潜ったサメの出るポイントでは、ちょっとしたパニックに。

私は見た目はいっちょ前に肌が黒く海好き女子なわりに、オーストラリアのカレント(離岸流)で溺れかけたり、船酔いにめっぽう弱かったりと、海への片思いは長い。でも片思いってドキドキするから良いものだ。

そして、その日もドキドキしながら海へアタック!

しっかり酔い止めを飲んで、ボートで20分のポイントに辿り着くと、海底に向かってロープをつたいながらブクブクブクと沈んでいった。薄暗い海の底から何者かに引きずり下ろされているような感覚にビビりながら、深さ10~15mあたりに到達すると、すぐに

「おおっ! 車だ!」

海底にポツンと一台の車の彫刻が沈んでいた。珊瑚に覆われ、まるでサビついているような、灰をかぶっているような見た目で、海中で青白く佇んでいる。

海底の車

早速、現れた海底アートに恐怖心は興奮に変わり、私は興味津々で車に接近!

しかし中性浮力がうまく取れず、水中でクルリと体がひっくりかえったりして、危うく車にぶつかるところでした。危ない危ない、珊瑚を傷つけてはなるまい。

必死に洞窟の中を撮影するダイバーマリーシャ

グロテスクな“怪人珊瑚人間”現る!

次のポイントには…

そして次に向かったポイントには…、ウジャっと、なんじゃコレ! 顔や体が珊瑚だらけの無数の人物像が現れた!

彫刻は海の生物が発育しやすい素材で作られていて、月日が経つとともに珊瑚が繁殖していくことを目的としているのだそうだけど…これ、見た目はなかなかグロテスク(笑)!

まるで珊瑚に侵食されてしまったような人間像は、これまでに人間が珊瑚を破壊したことへの復讐を受けているようにも見えた。

珊瑚に侵食された無数の人物像

ここまで珊瑚に覆われていると、一見、全部が同じ“怪人珊瑚人間”のようだが、よく見ると、キャップを被っている男や老人、妊婦や子供までいろいろなタイプがいた。

実はこれ、英国の彫刻家ジェイソン・デカイレス・テイラーらが街でモデルを探して制作したんだとか。実物がいたとは驚きですが、こんな珊瑚だらけになっちゃうなんて、みんな予想できてたかしら…(笑)。

正直、気味の悪いものもあったけど、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の中にいるみたいな不思議な世界と、最後にはカラフルな魚たちをいっぱい見ることができ大満足で浮上。

ちなみに、カンクンではジンベイザメに続いて、今回もカリブ海にゲーしました。内緒ですよ

そして、私の持ち込んだ、香港で買った防水小型カメラ(近年流行のウェアラブルカメラ「Go pro」…ではない)。なんと、海底動画は1コも撮れてませんでした! ギャフン! 超頑張ったのになんで~?(涙)

しかし、貴重な海底写真はインストラクターの方がキレイに撮影していてくれたため、無事思い出もゲット。

彼女は日本人で、とても頼りになるカッコイイ女性だった。中2の頃に初めてダイビングをして、「これしかない」と思ってからもう7千本は潜っているという。

サーフィンもこなし、カリブ海の波に乗りまくる彼女。焼けた肌と引き締まった健康的な体は、誰もが憧れる細マッチョ。きっと彼女は海と両想いなんだろうな~。

憧れのインストラクターさん(右)とキャプテン

魚の大群と私

「マッチョ」な男にご用心?

ところで、この「マッチョ」という言葉、元々はメキシコスペイン語で「マチョ」と発音し、「雄」や「男性」、「男らしい」という意味がある。日本では「細マッチョ」「ゴリマッチョ」なんて言葉まで生まれて、外見的な「筋肉体型」を示すことが多いですよね。

しかしラテンの国では、またちょっと別の意味も持っていたりするので要注意なのだ。

メキシコでいう「マチョ」とは?

それは、「マチョ」「マチスタ」「マチスモ」といえば、「男尊女卑」「男性優位主義」などの意味を含むこと。男らしいゆえに男尊女卑の考えが強い男性のことをディスって(軽蔑的な意味で)「マチョ」と表現する場合があるんだそうです。

そして、特にメキシコ男性には結構このタイプが多いと聞いたので、勇気を出して(?)旅友のメキシコ人男性・ウリちゃんにも聞いてみた。すると、

「あー、ウチの親父がそうだわな。でも都市部ではそういう人も減ってきてるけどね。ステレオタイプな昔の人や田舎の人に多いかな」

すると、そのガールフレンドは「マチョは厄介よ! やれ女は家にいろとか、女の仕事しろだとか。あー、ヤダヤダ!」と顔をしかめた。バリバリ週6働くシティーガールの彼女は、古き男尊女卑の考えを嫌っていた。

話を聞いていると、どうやら日本でいうところの亭主関白な男と似ているようだ。別のメキシコ男性の友人にも聞いてみると、

「良いマチョも悪いマチョもあるよ。例えばほら、マチョはデートの時、女性には払わせないし、重い荷物は持たせない、ドアを開けてあげたり、そういう風な男らしさもマチョだし。あとはとっても辛いチリを食べ切った時とかは、男同士で『よっ! マチョ!』なんて言って称えたりするね(笑)。女子が悪くとらえるほうのマチョは、嫉妬深いとかかな?」

辛いチリが食べれる男もマチョ!?

ネガティブな意味のマチョな男たちは、嫉妬や束縛が強いとか。メキシコ人男性と付き合っていたある日本人女性は、彼氏と別れ話の際に「海外へ行く」と言ったらパスポートを折られたそう。

彼女はしばらくそのパスポートで旅をしたそうだけど、旅人の私にとってパスポートは命の次に大事といっても過言ではない(笑)。

パスポートを折られてしまっては困るので、恋する時にはくれぐれもマチョの度合いを見極めようと思う。

【This week’s BLUE】海底から見上げた、海に浮かぶ旅人の輪。

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】