収納式はしごも「北斗星」。2階~4階は2段ベッドを使用した男女混合のドミトリー(相部屋)で、5階は女性専用。足元に大きな荷物を入れるスペースもある。無料のWi-Fiやコインロッカーも利用できる

豪華寝台特急として多くの人に愛されながらも、昨年8月に運行廃止となった「北斗星」

北斗星は1988年の運行開始から27年間、上野~札幌間で旅行者の夢を乗せて走ってきたが、12月15日からは同列車の“夢見る空間”が都心のビルの中でホステル(簡易宿所)として復活することになった。

「北斗星車内の照明や椅子、内装などの実車パーツを再利用して雰囲気を再現しながら、快適性を重視した施設にリノベーションしています。はしごや寝台も実物ですが、寝台の上にはマットレスを敷くなど寝心地にもこだわりました。

また、雰囲気を壊さずに10cmほどベッド幅を広げた寝台もご用意しています」(トレインホステル北斗星・満留[みつとめ]さん)

もちろん「北斗星」そのままの雰囲気を楽しみたい場合は、シーツのみでの利用もOKだ。

「おかげさまでオープン前から順調に予約が入っています。現在は鉄道ファンの日本人の方が多いのですが、今後は海外からのお客さまにもご予約いただきたいですね」(前出・満留さん)

揺れない「北斗星」でぐっすり夢を見て、翌朝、爽やかな気分で旅に出てみては?

というわけで、その内観は写真画像で詳しく紹介!

さまざまなタイプの寝台が。北斗星の「A寝台ツインデラックス」を使ったドミトリーも用意。こちらは椅子を倒すとベッドになる。照明や読書灯も実際に北斗星で使われていたもの。AC電源は2口用意

外観はビル。中身は北斗星

ホステルの入り口には北斗星のヘッドマークを模した看板が

受付の壁には北斗星の機関車に描かれていた流れ星のマーク。フロントの案内板は方向幕をかたどったデザイン

北斗星の食堂車「グランシャリオ」で使われたテーブルと椅子は2階にある共用スペースのラウンジに設置。共用キッチンでは自炊ができ、壁に埋め込まれた補助椅子も使用可能

シャワールーム、ランドリーも完備。定員全78名

半個室は3階と5階に1室ずつあり、「A寝台ロイヤル」のベッドを使用。ドミトリー内の2段ベッドは1泊2500円~だが、半個室は1泊4000円~(季節変動あり)

●「トレインホステル北斗星」住所:東京都中央区日本橋馬喰町1-10-12/TEL03-6661-1068 http://trainhostelhokutosei.com

(取材・文/畠山理仁 撮影/小川裕夫)