期間限定の「コロッケトレイン」に乗りました! 吊革の上の部分に注目です

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

報道情報番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)ではメインMCを務める人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴(つづ)るコラムだ。

今回は、鉄道好きの彼女が期間限定の“コロッケトレイン”に乗った体験を語る!

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少し前になりますが、「コロッケトレイン」に乗るために、茨城県の龍ケ崎市に行ってきました! このコロッケトレインは、期間限定で走るいわゆる“イベント列車”だったんですが、まずこの列車が生まれた経緯をご説明したいと思います。

茨城県の龍ケ崎市では、10年以上前からコロッケによる町おこしに取り組んでいます。市内のいろんなお店が開発した個性的なコロッケを総称して「龍ケ崎コロッケ」と呼んでいるそうなんですが、今年、この龍ケ崎で「第4回全国コロッケフェスティバル」が開催されたんです。

それに合わせ、地元の竜ヶ崎線を走る鉄道がコロッケトレインになったんですね。コロッケも鉄道も大好きな私にとっては一挙両得ということで、友達と龍ケ崎に行ってきました。

竜ヶ崎線は、JR佐貫(さぬき)駅を起点とするたった3駅のローカル線です。終点まで5kmもないので、あっという間に着いちゃうんですが、田園風景のなかをかわいい1両編成の列車が走る光景は、鉄道ファンの心をかきたてるものがあります。実は、日本の旅客列車としては初のワンマン運転を導入した路線でもあります。

この竜ヶ崎線の車両が、コロッケフェスティバルの期間中、どんなふうに様変わりするかというと……。すべての吊(つり)革の持ち手の上に、コロッケがつきます(笑)。もちろん本物ではなく、食品サンプルです。車内の広告スペースにも、コロッケ格言が張り出されていました。

衝撃の“ますずし”コロッケ

例えば、「日本には、コロッケがあるじゃないか。」「―あの日好き、と言う代わりにコロッケを渡した」という映画のコピーのようなものから、「俺のコロッケ知らない?」といった謎のセリフまで、地元の方の深すぎるコロッケ愛を感じました。

目玉のコロッケフェスティバルのほうも盛況でしたよ。全国各地の飲食店が一堂に会し、自慢のコロッケの味を競いました。私も友達と手分けをして行列に並び、買えるだけ買い込みましたね。近くの神社の境内に移動し、大勢の大人たちがコロッケを食べているなかに交じってひたすら大量のコロッケを食べていると、なんだか不思議な気分になりました(笑)。

コロッケって、衣をつけて揚げればなんでもOKという料理なので、ありとあらゆるものが具材になりうるんですね。私が食べたもののなかでは、「しらすコロッケ」や、金目鯛を揚げた「キンメコロッケ」がおいしかったんですけど……。なんといっても、「たまコロ」の味は忘れられません。北海道北見市(きたみし)名産のタマネギを使ったコロッケで、今年のコロッケフェスティバルでも優勝していました。ぜひもう一度食べてみたいですね。

ただ、衝撃を受けたという点では、私の中のMVPは「ますずしコロッケ」です。富山名物のあの“ますずし”をコロッケにしたそうで、私も食べる前は「ライスコロッケみたいに混ぜご飯を揚げるのかな?」と想像していたんですが……。

なんとこのコロッケ、ますずしをそのままの状態で揚げたものだったんです。あえて感想は言いませんが、「考えすぎると、こういう方向に行っちゃうのかな」と思った次第です(笑)。

●市川紗椰(いちかわ・さや)1987年2月14日生まれ。アメリカと日本のハーフ。モデルとして活動するほか、報道情報番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)ではメインMCを務める。よく友人と、「コロッケは食べ物派? それとも芸人派?」と議論している