トヨタはフィンランドでWRC2017参戦体制を発表。世界中から集まった報道陣にヤリスWRCが披露された

トヨタ自動車は12月13日、来年1月に開幕する世界ラリー選手権(WRC)に「ヤリス」(日本名=ヴィッツ)をベース車両にしたモデルで参戦することをフィンランド・ヘルシンキで発表。

1999年の撤退から18年。2017年、いよいよトヨタがWRCに復帰する。現地に飛んだ自動車ジャーナリスト・小沢コージが速攻レポ~ト!!!

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12月13日、自動車業界に衝撃が走った。あのトヨタが、ウワサされていたWRC、世界ラリー選手権への18年ぶりの復帰をヘルシンキ(フィンランド)で発表したのだ。

チーム監督として組むのは優勝請負人こと、三菱時代にWRC4連覇の偉業を成し遂げた最強フィンランドドライバーのトミ・マキネン氏。ベースは現在のWRCカーのレギュレーションに合致したコンパクトカーのトヨタ・ヤリス(日本名ヴィッツ)で、それにほぼ作り直しとも言われる専用ボディ改造を施し、これまた専用の1.6リットル直噴直4ターボを搭載して4WD駆動で走る。

来シーズンはレギュレーションが緩和され、エンジンパワーが約330馬力から380馬力にアップすると同時に空力規制も変更。今回、実物のヤリスWRCを現地ヘルシンキで見てビックリしたのは、不肖小沢が勝手に“文金高島田ウイング”と名付けた巨大エアロパーツだ。リアが今までと段違いに大きく、見るからにド迫力でダウンフォースの塊。

こちらが“文金高島田ウイング”。トヨタ自動車の嵯峨宏英専務役員は「甘いものではないが、時間をかけずに1勝を挙げたい」と報道陣にコメント

確かに、今やVW、シトロエン、フォード、ヒュンダイとワークス&セミワークス勢が凌(しの)ぎを削るWRC。1年目のトヨタがいきなり大活躍するほど甘くはない。しかし、勝負は水物。ひょっとして表彰台どころかど真ん中に立つことも!?

「チャンスがあるのは、初戦のモンテカルロと半分地元ともいえるスウェーデンラリー。正直、マシンの戦闘力はまだまだだと思いますが、モンテは博打(ばくち)要素が高くてタイヤチョイスに左右されるし、スウェーデンは雪と氷でスタッドタイヤを使いこなせるフィンランド人ドライバーが強い。監督のマキネンも言っていましたが、簡単ではないですけど表彰台の可能性もゼロではないのかも?」(モータースポーツジャーナリストの古賀敬介氏)

第1戦は2017年1月19日~22日に開催、場所は伝統のモンテカルロ。ヤリスに注目するっきゃない!!!

(取材・文・撮影/小沢コージ)