不良文化評論家・岩橋健一郎が語る“オレが不良だった頃”

2016年年11月、ヤンキーのバイブル誌『チャンプロード』が29年の歴史に幕を下ろした…。

そこで、発売中の『週プレ グラビアスペシャル増刊 NEW YEAR 2017』では、ヤンキー文化を大特集。

元ヤングラドルの及川ちひろちゃんインタビューと懐かしのヤンキー漫画をご紹介した前編に続き、80年代、胸を熱くしたヤンキーゲームや映画を紹介。今も色褪せない文化が、ここにあるんだっての!

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まずは、自ら壮絶な不良人生を歩んできた不良文化評論家・岩橋健一郎に、古き良き不良時代を話してもらいました。ガチだぜ!

「ヤンキーって呼び名は90年代前半に関西で生まれた言葉。オレら関東からしたら“舐(な)めてんの?”って感じの意味合いですよ。関東は断然、通称“ツッパリ”あるいは不良です!

オレがまだ小学生だった頃は、地元の横浜市鶴見区の第一京浜を国内最大規模の暴走族、ブラックエンペラーが数百台ものバイク連ねて走ってた。当時のガキにとって暴走族は憧れの的。みんなチャリで爆走してたよ。

『暴走族』と名づけたのは富山県警。かつての通称“カミナリ族”が暴走行為をしたためにそう名づけられました。オレは10代半ばに『横浜連合鶴見 死天王』の仲間入り。構成員は約30人かな。80年代当時は横浜市内だけで47チームもの暴走族があったんだから、暴走族の花盛りよ。

10代の時、『爆走烈士伝』っていう暴走族の写真集の表紙にバーンと載ったもんだからオレの顔が一気に全国に知れ渡ってさ。ヤバい経験もしたな。夜中、約30人の不良に囲まれフルボッコ。『倒れたら殺される』と必死で車にしがみつき、命からがら深夜の救急病院に逃げ込んだら、血だるまのオレを見たナースが『キャー!』って逃げてさ。あの時の絶望感、今も忘れないよ(笑)。顎も頭蓋骨も骨折して大変だったけど、いい思い出だよね」

岩橋氏が表紙の写真集『爆走烈士伝』。「19時に新宿の都庁でカメラマンと待ち合わせて撮影したんだ」

●岩橋健一郎(いわはし・けんいちろう)1966年12月24日生まれ。自らも元不良少年で、暴走族を追い続けるヤンキー界の重鎮

というわけで、あの頃、胸をアツくしたヤンキーゲームに映画を紹介!

胸アツのヤンキーゲームに映画

『ダウンタウン熱血物語』

『ダウンタウン熱血物語』

1989年にファミコンで発売された、ダブルドラゴン兄弟にさらわれた“まみ”を助けるべく冷峰学園まで勝ち進むアクションRPG。1Pの“くにお”ひとりだけでなく、2P“りき”とふたりで協力して遊ぶことも。敵味方関係なく攻撃ができたり武器を投げたり、自由度の高さも人気だった。また、途中の商店街での買い食いなども楽しめる

*『ダウンタウン熱血物語』は現在発売中のニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータに収録 販売:任天堂 (c)ARC SYSTEM WORKS

『ゴッド・スピード・ユー!BLACKEMPEROR.』発売元:DIGレーベル(株式会社ディメンション)発売中 3800円+税

『ゴッド・スピード・ユー!BLACKEMPEROR.』

1970年代、国内最大規模だった暴走族、BLACK EMPERORに映画監督の柳町光男氏が迫ったドキュメンタリー映画。構成員約100人の新宿支部に属する少年たちの日常生活を淡々とつづり、集会における仲間同士のたわいない会話も収録

『ビー・バップ・ハイスクール高校与太郎Blu-ray BOX(初回生産限定)』販売元:東映/発売元:東映ビデオ 発売中 3万2000円+税

『ビー・バップ・ハイスクール高校与太郎Blu-ray BOX(初回生産限定)』

1985年に公開され大ヒットした1作目のほか全6作を収録。原作エピソードから構成された物語だが、なんといっても、ツッパリたちが走る電車から突き落とされたりアーケードの屋根から落下したりと、体を張ったスタントにシビレる!

『湘南爆走族Blu-ray コレクションVOL.1~6』販売元:東映/発売元:東映ビデオ 発売中 各5000円+税

『湘南爆走族Blu-ray コレクションVOL.1~6』

1982年に『少年KING』で連載がスタートし人気を博した原作が87年に実写化と同時にOVA化。OVA全12作品を完全BD化して発売されたのが本作だ。それぞれ特典映像として吉田聡直筆の設定資料やアニメ製作者の秘話なども収録

(取材・文/河合桃子[元ヤン] 撮影/下城英悟)