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「デマニュース」の真実--無批判に持ち上げる報道や政治運動は“別の誰か”にとって排他的なもの

[2017年01月09日]

ウェポナイズされたニセ情報は、アメリカをあっという間にのみ込んでいったと語るモーリー氏

『週刊プレイボーイ』本誌で「モーリー・ロバートソンの挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンがインターネットの普及により広がる「デマニュース」から日本と自分を守るための心構えを語る。

* * *

ひと昔前の時代は、良くも悪くもマスメディアが言論を支配していました。過激で偏った言説は、大新聞のデスクやTV局のディレクターの「倫理感」によって検閲され、報道するに値しないとして葬られるか、少なくとも“注釈付き”でしか世に出ることはありませんでした。

ところが、インターネットが普及し、有象無象のネットメディアやSNS上の“ネット世論”が力を持つにつれ、状況は一変。相対的に力の落ちたマスメディアはその責任を放棄し、引きずられるように「客が喜ぶ派手なネタ」をなりふり構わず提供するようになりました。

その結果、今年の米大統領選では、国家や政党からカルト系団体まで、マスメディアから個人まで、あらゆるプレーヤーが“情報戦”に参加。果ては、まったく関係のない欧州の小国マケドニアに住む青年たちまでも、小遣い稼ぎのために大統領選関連のデマニュースを配信していたのです。こうしてウェポナイズ(兵器化)されたニセ情報は、アメリカという国をあっという間にのみ込んでいきました。

その象徴ともいえるのが、ドナルド・トランプ新政権の主席戦略官・上級顧問に就任するスティーブ・バノン氏。彼は保守系ニュースサイト『ブライトバート・ニュース』の元会長ですが、ニュースといっても相当に偏った主張や、デマ交じりの言説でトランプを強力にプッシュしてきた媒体です。

ひと昔前ならマスメディアに“黙殺”されていたような人間がホワイトハウスの住人になることで、今後アメリカではネオナチまがいの言説も「普通の右派」くらいの位置づけになり、ノーマライズ(常態化)されてしまうことは避けられないでしょう

同じことは近い将来、日本でも十分に起こりえます。なぜなら、日本社会のベースには排外主義の“種”――「潔癖」という体質が潜んでいるからです。


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