リオ五輪の100m予選では、桐生はウサイン・ボルトと同じ組だった

2017年も注目のイベントが目白押し、そこで様々な競技の結果を大予想。願えば叶う…はず、スポーツのビッグな初夢をシミュレーション! まず、今回の第1弾は陸上から! 

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■日本人初の9秒台&4×100mリレーでジャマイカを破って金メダル! 

待ちに待った日本人9秒台が、ついにロンドン世界陸上の舞台で飛び出した。男子100m日本代表の3人、山縣亮太、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥は、それぞれ危なげなく予選を突破。そして迎えた準決勝。この日、会場となったロンドンスタジアムの上空は曇り。気温20度、レース直前には、なぜか追い風参考までギリギリとなる1.9m/sの風が吹きはじめる。まさに神風、記録を出すには完璧なコンディションが整っていた。

そんななか、日本代表の3人は0.101秒という人間離れした反応速度のスタートから次々と10秒の壁を突破。なんと、9秒台×決勝進出×3人という、盆と正月が一緒にきたような日本陸上界の快挙に、伊東浩司強化委員長はひとり号泣するのだった。

さらに快進撃は続く。リオ五輪では銀メダルを獲得した4×100mリレーで、日本男子短距離界の歴史が再び塗り替えられた。

メンバーはリオ五輪と同じく、1走・山縣、2走・飯塚翔太、3走・桐生、4走・ケンブリッジ。100mのファイナリスト3人に加え、飯塚も200mで自身初の決勝進出を果たしていた。

これに対して、世界の強豪2カ国は、アメリカでは100m銀メダルのジャスティン・ガトリンがレース後に突発性腰痛を発症。ジャマイカのエース、ウサイン・ボルトも、日本勢の挑戦を一蹴して100mで金メダル獲得まではよかったが、そのウイニングラン中に、北京大会に続いて暴走してきたカメラマンのセグウェイに轢かれるアクシデントが発生。無念のリレー欠場を余儀なくされていた。

絶好調のベストメンバーで臨む日本に対して、エース不在となったジャマイカとアメリカ。サブメンバーで大舞台に臨む不安がそうさせたのか、決勝レースでは日本チームに対抗して、ジャマイカもアメリカも、急きょ慣れないアンダーハンドパスを試みた。だが、いかんせん練習不足は明白だった。1走から2走でアメリカが、2走から3走でジャマイカが、それぞれ痛恨のバトンミス。トラック上を空しくコロコロ転がる2国のバトンを尻目に、日本チームは、見事なバトンパスをつないでいく。

ああ、これぞ繊細な和の心なのだろう。まるで伝統工芸のように磨き抜かれた日本のアンダーハンドパスは、寸分の狂いもなく次々と次走者を加速させていく。2位のカナダ、3位の中国をはるか後方に置き去りにして気持ちよさげに走るアンカーのケンブリッジ。最後は、日本がリオで出した37秒60を上回る37秒50で、見事に金メダルを獲得したのだった……。

※編集部注:この記事はあくまでも予想です

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五輪や世界選手権で陸上競技の取材を続けるスポーツライターの折山淑美氏は、「日本人の100mの9秒台はいつ出てもおかしくない。9秒を意識しすぎなければ大丈夫だろう。リレーもリオ五輪のときと同じように走ることができれば、金メダルは狙える」と、快挙の実現性に太鼓判を押す。

(写真/日本雑誌協会)