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“脱国家”へと逃避した先に未来はない! だからオバマは“HOPE”を呼びかけた

[2017年01月15日]

人間の持つ攻撃性が発露される時代になったと語るモーリー氏

『週刊プレイボーイ』本誌で「モーリー・ロバートソンの挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが2016年に起きたトランプ旋風やEU離脱など。今年は「脱属性」「脱国家」が流行する動きがあると語る。

* * *

アメリカのトランプ旋風、イギリスのブレグジット(EU離脱可決)、そして欧州各国の極右政党の台頭。2016年、国際社会で起きたこれらの政治的事件の共通項は「排他性」、つまり特定の属性を持つマイノリティに対する攻撃性です。リアルにせよSNSにせよ、残念ながらさまざまな局面で人間の持つ攻撃性が発露される時代になりました。

それなら、いっそすべての属性から脱してしまおうーーそんな動きが今年は生まれてくると思います。何かしらの政治性に身を置いたことで攻撃対象になるくらいなら、タンポポの種のように、風に吹かれて散りゆく“浮遊層”になろう…と。

LGBTの世界では、そうした傾向がすでにあります。例えば「パンセクシャル」。便宜的に「全性愛」と日本語訳されることもありますが、要するに男でも女でもない極めてニュートラルな存在を指すジェンダー用語で、これを自称するアーティストが現れ始めている。過去の差別の歴史から、LGBT界隈ではどうしてもリベラル左翼的な活動が強いのですが、そうした枠組みから離れて“しめやかにトランス”しようという動きです。

これはセクシャリティの枠組みからの離脱ですが、これからは「国家」という枠組みから離脱しようという人も増えるでしょう。

かつては「国家がみんなを豊かにする」という約束があった。ひとりひとりが“違う人たち”であっても、国家のために互いに協力し、みんなが豊かになろうという無形の愛があった。しかし、今ではその豊かさへの約束がとうてい信用できないばかりか、むしろ「国家」を強調した瞬間、そこにヘイトが現れるという“負の象徴”になりつつある。であれば、いっそ愛国心を放棄するーーつまり“脱国家”を宣言しよう、というわけです。

ヒト・モノ・カネが国境を超えるグローバリズムからさらに進んで、人間のアイデンティティそのものが近代国家という枠組みから離れていくというわけです


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