週プレNEWS TOP 連載コラム 週プレ外国人記者クラブ 日本人の「長時間労働」改善を阻む壁とは…労働者の権利に手厚いフランスとの「文化の違い」

連載コラム

日本人の「長時間労働」改善を阻む壁とは…労働者の権利に手厚いフランスとの「文化の違い」

[2017年01月19日]

─そもそも、日本では「長時間労働」の問題が放置されてきた。労働基準法で定められた労働時間を遥かに超える長時間の残業や、残業代が支払われない「サービス残業」が常態化している会社はいくらでもあり、これまではそれを守らない企業が厳しく取り締まられることもほとんどありませんでした。その点、労働者の権利が厳しく守られているフランスと大きく違うのでは?

メスメール 確かに、単純に法制度やその運用という面ではフランスのほうが労働者の権利が厳しく守られてきたと言えるかもしれません。しかし、私はこれには「文化の違い」という面もあるのではないかと思っています。正規雇用が主流だった90年代頃までの日本では多くの日本人が「会社に自分の人生を捧げる」代わりに、生涯にわたって安定した給料と雇用を約束されていた。つまり、この仕組みが社会の大きなセーフティネットになっていて、それを日本の社会全体が受け入れていたのです。

ところがその後、経済のグローバル化が進み、以前よりも多くの外国企業が日本に進出し、他国との競争も激しくなる中で、そうした働き方に関する「日本独自のカルチャー」が壊れ始め、定年までひとつの会社で働き続けるという生涯雇用の仕組みが失われていった。雇用の流動化によって正規雇用から非正規雇用へのシフトが起こり、日本の働き方を支えてきた従来のモデルが通用しなくなりつつある。今、我々が目にしているのは、そうした変化によって表面化し始めた「歪み」なのだと思います。

─だとすると、「安定した生涯雇用」という従来のモデルが壊れ始め、しかも、フランスと違って「働く人の権利」がきちんと守られていない…というのが、今の日本の「働く人たち」を取り巻く、厳しい現実のようにも思えますが。

メスメール そうですね。日本の労働市場における非正規雇用率は今や40%を超えていますし、その多くが同じ仕事をしている正規雇用の人たちと比べて4割近く少ない賃金で働いています。安倍政権が進める「働き方改革」では雇用の流動化と共に「同一労働、同一賃金」の実現を重要なテーマのひとつに挙げていますが、それは必ずしも「非正規の人たちの賃金を正規雇用なみに引き上げる」という意味ではないでしょう。

また、日本では多くの人たちが、これまで常態化していた「残業代」も自分たちの定期的な所得の一部とみなして暮らしていましたが、この先、残業ができなくなれば、当然、残業代も減り、それは企業にとって人件費削減に繋がっても、働き手にとっては「実質的な収入減」を意味します。また一方で、大企業は国内で新たな雇用を創出せず、人件費の安い海外への投資を加速させる傾向にあります。

規制緩和による雇用の流動化によって、これまでの「古いモデル」が支えていた「将来の保証」が失われ、残業代が減って実質的な収入も下がるのに年金や医療保険などの社会保障負担額は増えている…。もちろん、どんな改革にもプラスとマイナスの面があり、一概に日本の働き方改革を批判するわけではありませんが、こうした現実を考えれば、日本にも従来とは異なる形の「労働者を守る制度」が必要なことは確かだと思います。


『伊東紗冶子ファースト写真集 SAYAKO』発売記念握手会、11月3日、4日(金・土)に東京と大阪で連続開催!

連載コラム

Column

    連載コラムを見る

    Back Number

    • No.45 Nov 6th 2017
    • No.44 Oct 30th 2017
    • No.43 Oct 23rd 2017
    • No.42 Oct 16th 2017

     

    Gravure Gallery

    もっと見る

    MOVIE Channel

    【動画】小宮有紗の時代がやってきた!

    もっと見る

    新刊のお知らせ

    • 馬場ふみか2018カレンダーブック
    • プロ野球プレイボーイ2017
    • 『伊東紗冶子ファースト写真集 SAYAKO』
    • 週プレ グラビアスペシャル増刊 SUMMER2017
    • 『AKB48 水着サプライズ2017』

     

    プレイボーイコミックス

    メルマガ会員&アンケート 2017年No.45

    第一回 ミスグラジャパオーディションWeb投票 【予選】

    週刊プレイボーイ増刊号「プロ野球プレイボーイ」2017