依然として自身のパンドロ疑惑を一貫して否定している高木前復興相。なかなかシブトイ

“パンツ大臣”こと自民党の高木毅前復興相が約30年前、下着を盗もうと女性の部屋に侵入し、逮捕されていたとのニュースが流れたのは2015年10月のこと。

当の高木氏は「事実無根」と否定しているのだが、なぜか人々の記憶も薄れがちな今頃になって、その言い分を身内が全面否定するという珍事が起きたのだ。

身内とは自民党福井県連の会長、山本拓衆院議員。高木前大臣も福井選出の議員で、ふたりはこの地の自民党組織を支える同志といってもよい。なのに、山本氏は身内をムチ打つかのように今月13日、福井県庁で会見を開き、「高木前大臣はやはり、現行犯逮捕されていた」と暴露してしまったのだ。

なぜ、山本氏はこの時期に、身内の恥をさらすような会見をあえて開いたのか?

「次期衆院選での公認ゲットを見据えた内ゲバでしょう」

そう喝破するのはジャーナリストの川村晃司氏だ。

高木前大臣は福井2区選出。一方の山本氏は北陸信越比例ブロック選出だ。前回の衆院選から福井は選挙区が3つからふたつに減り、旧2区選出の山本氏が2区公認を高木前大臣に譲り、泣く泣く比例区に回ったという経緯がある。

「政治家なら誰しも自分の選挙区が欲しい。この時期に山本さんが『高木前大臣はやはり、現行犯逮捕されていた』と公表したのは、2区の公認を得るためでしょう。逮捕の事実を明らかにすれば、高木氏は引け目を感じて比例区に回るか、無所属候補として2区から強行出馬するしかありません」(川村氏)

キーマンは二階俊博幹事長です

自民党秘書もこう言う。

「山本会長は当選7回。なのに大臣レースでは、当選6回の高木さんに先を越された。その上、福井2区の公認候補レースでも負けたとあっては立つ瀬がない。そろそろ衆院選が近い。この時期の唐突な『高木逮捕事実の公表』は明らかな牽制。山本会長は高木前大臣追い落としのバトルを仕掛けているのです」

しかし、恥ずかしい過去を再暴露された高木前大臣も黙っているはずがない。このバトル、どう決着するのか?

「キーマンは二階俊博幹事長です。両者のバトルを放置すれば、有権者があきれてそっぽを向きかねない。そうなれば、対立する野党の候補が漁夫の利を得るだけです。『前回の衆院選では山本氏が2区の公認を譲ったのだから、今回はあなたが比例区に回りなさい』と、二階幹事長が高木氏を説得できれば丸く収まるのですが…」(前出・川村氏)

パンツをめぐって繰り広げられる北陸・福井の公認争い。その結末に要注目だ。