初の女性向けスタイルブック『MANA』(サイゾー)を発表した紗倉まな

週刊プレイボーイ本誌の人気連載『白目むいちゃいました。』でもおなじみの紗倉まなが1月10日に初の女性向けスタイルブック『MANA』を発表。今年で6年目を迎える“現役AV女優”というお仕事の枠を越え、その活躍はさらに広がりを見せている。

でもスタイルブックって、どんなスタイルを提案してるわけ? てわけで、ティファニーブルー色のおしゃれな表紙とは対照的に、自身をよく“えろ屋”と表現する彼女のそこにこめた“明るい毒っ気”に迫った!

―初のスタイルブック、装丁も中身もめちゃくちゃ可愛いです! 売れ行きも非常に好調だとか。

紗倉 ありがとうございます、うれてぃ~!です。

―これで3冊目の出版ですが、それぞれの色が全く違いますね。

紗倉 はい。最初が自伝エッセイ(『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』)で、その次が小説(『最低。』)。今回初めて、写真がたくさん入った女性向けの本を作らせてもらいました。でもとにかく、私に女子力のセンスが全くなくて…!

―いやいや、ファッションモデルのようなまなちゃんに出会えて、すごく新鮮でした。

紗倉 実は『MANA』にはフルヌードが一切ないんですよ! 普段は「裸が衣装」という感じなので、皆さん“裸の紗倉まな”を見慣れていると思うんです。でも全ページ可愛い衣装を着ていることで、逆にリアリティを感じていただけるんじゃないかと。従来のファンの方からも「着衣のほうが安心する」という声をいただきましたね。

―おしゃれな写真以外にも、仕事に関する考えがコラムにぎゅっとつまってますよね。

紗倉 私は「エッチに関するハウツー本を書いて!」と言われても、実は全然書けないんです。自分の中に「性って、個人に拠るんじゃないかな。答えはひとつじゃないよな」という軸があるので。

だからコラム部分では、世間一般に言われている“AV村”の世界をちょっと違う視点でお届けできたらいいなと。「こういう考え方もあるのかも」と、別の目線で読んでもらえたらいいなと思います。

昨年、S女作品に目覚めたという。「他の女のコは引いちゃうような攻めにも興味があります」

去年は酒に後悔した1年でした

女性向けWeb媒体の連載も持ち、女性ファンからの支持も厚い。女のコらしさへのコンプレックスなども語る姿が共感を呼んでいる

―まなちゃんは、自分の仕事を“えろ屋”という表現で呼んでますよね。その“えろ屋”という言葉からは、スタイリッシュさとは違ったセンスを感じますけど、何かこだわりが?

紗倉 単純に日本語の響きとして好きなんです。豆腐屋さんや八百屋さんみたいな感覚に近いかも。「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!」みたいな、下町の感覚というか。お祭りの屋台に並んでいてほしい。

―なるほど、誰にとっても距離が近い感覚なんですね。

紗倉 私は自分の職業を恥ずかしいと思ったことはないし、世間の偏見があるにしろ、やっぱりこの仕事がすごく好きだなと感じているんです。とはいえ、いつでもどこでも「私はAV女優なのよ!」って主張する感覚でもなくて。「どんなお仕事をされているんですか?」と聞かれた時に「あ、えろ屋なんです~」とさりげなく答える感じなんですね。自分の血液型を言うのに近いというか。

―“セクシー女優”という言葉はどう思っていますか?

紗倉 「セクシー女優」については「ヌードル(ヌードアイドル)」という単語と同じくらいの違和感が私の中にあるんですよ(笑)。セクシーって、AVの仕事をしていなくても誰でもセクシーは表現できますから。

―AV監督は「セクシー監督」かっていうと、違いますもんね。

紗倉 AVという単語で、いろんな制限がかかってしまう事情もよくわかるんですけどね。

―『MANA』はスタイリッシュな仕上がりですけど、コラムやインタビューではかなりぶっちゃけてますね。「私自身はおしゃれじゃない」と言ってみたり、「アイドル活動が苦手」と言ってみたり。その「キラキラばかりじゃない、ドクダミみたいな自分もいるよ」というバランスはどこから?

紗倉 私はいつも「良い言葉を言おう!」と思っているんですけど、つい素が出ちゃう。たぶん口が悪いんだと思うんです(笑)。本当はもっと女のコっぽくしたいんですよ。でも自分のずぼらな部分は自分が一番知っているし、「根っからキラキラしてるコにはなりきれないな」ということを強く感じていて。

―結構、無理して盛った部分も?

紗倉 盛っているというよりは、いつもの自分をスタッフの皆さんに味つけしてもらって、作品をみんなで作っている感じです。あ、でもプライベート下着を紹介するコーナーは、ちょっぴり背伸び気分で使うブランドを紹介しました(笑)。実際につけている下着ですけどね。

エロいのに親しみやすい、親しみやすいのにエロい…絶妙な人間力とセクシー力のバランスに中毒者が続出

―手書きのイラストもたくさん載っていますが、独特の絵ですよね。少し怖いというか。

紗倉 え!? おかしいな、“ポップ”を意識して描いたんですけど…! でもよく周りの人に「なんで内臓の絵を描くの?」って聞かれます。内臓じゃないですよ! ポップな絵です!

―読者の判断に委ねましょう(笑)。大好きなお酒の話は入れなかったんですね。

紗倉 去年は酒に後悔した1年でしたからねー。マネージャーと飲みすぎちゃって、家で目が覚めたら、玄関からリビングの廊下に何故か「ほたるいか」が点々と落ちてたんですよ…! 通称「ほたるいかのシルクロード事件」です(笑)。飲みすぎには気をつけます!

―2017年のエロ目標は何かありますか?

紗倉 去年はペニバンをつけて男性を攻めるS役を初めてやったんです。それが意外にもすごく楽しくて…!「S女を極めてみたいな」と思いました。あとはファンタジー要素が強い作品もすごく好きなので、時間が止まったり、シュールで不思議な設定だったりする作品にも出てみたい。

―映像でも書籍でも、いろんなまなちゃんが見られるのが最高ですね。ありがとうございました!

(取材/赤谷まりえ 撮影/石川真魚)

■紗倉まな(さくら・まな)1993年生まれ。T160 B89 W58 H89。男性だけでなく女性の支持も強い、トップAV女優。初のスタイルブック『MANA』(サイゾー)を1月10日に上梓。アクション映画『KARATE KILL』等、各種メディアで活躍中。執筆活動も精力的に行なう。小島みなみとのアイドル・ユニット『乙女フラペチーノ』メンバー。高等専門学校の土木科出身という異色の経歴を持ち、書いてよし、踊ってよし、歌ってよし、もちろんエロもよし!のミラクルガール。