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文科省天下りを「生け贄」にした安倍内閣の思惑。事務次官の自主退職で一件落着にしてはいけない! 

[2017年02月04日]

もうひとつは違法な天下り斡旋を刑事罰の対象にできなかったことだ。現状では違法な斡旋をしても警察は捜査に動かず、省庁が独自に懲戒処分を下すだけで済む。処分は重くて3ヵ月の停職など、軽ければ書面による戒告だけで終わってしまうのである。

懲戒処分は事務次官、官房長、人事課などが行なう。しかし、天下りを斡旋するのもまた同じ顔ぶれなのだ。これでは、泥棒に「泥棒を捕まえろ」と要求するようなもの。天下りがなくなるはずもない。

この2点を盛り込めなかったのは財務省をリーダーとする霞が関、そしてその意をくんだ自民党のボス政治家の抵抗・圧力が強かったから。08年当時、こうした圧力をはね返す力が私たちにあれば、天下りをもっと実効的に規制できていたかもしれない。

■次の“生け贄”になる省庁はここ!

報道によれば、安倍政権は今回の文科省の不祥事を受け、全省庁を対象に違法な天下りがないか、調査を行なうという。だが、そもそも文科省が天下りの斡旋に手を染めていたのは、霞が関の官僚から見れば驚きでもなんでもない。それを今、白日の下に晒(さら)す目的とは?

注目すべきは安倍政権がすぐ文科省の処分に動いたという点だ。天下りは国民に評判が悪い。しかも今年は夏に都議選、秋以降には衆院選も予想される。だらだらと処分を延ばし、国会で野党から「天下りに甘い」と追及されると、選挙に悪影響が及びかねない。なので、国会の開始前に早期処分し、批判を極小化しようとしている。

特に今回は、次官を自主的にではあるが退職までさせた。かなりの危機感を持っているということだ。そうした官邸の意向は省庁もわかっている。各省庁は人身御供(ひとみごくう)として数件の天下り案件を差し出すだろう。

そこで注意したいのが、霞が関の盟主たる財務省と経産省の動向。どちらも政治力があるから、抵抗するか恭順の意を示すか、悩むところだ。

ただ、もし天下り案件を表に出すとしたら、経産省が先のような気がする。この省は他省に比べると仲間意識が薄くドライだからだ。しかも、今の官邸は今井尚哉(たかや)首席秘書官をはじめ、経産省出身の秘書官が仕切っている。その経産省が天下りで処分されれば、国民は「安倍首相は天下り根絶に本気だ」と評価する。省幹部は、それで官邸に恩を売れると計算するわけだ。


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