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「若者よ、猛省しなさい!」と『家族という病』著者。日本人は衰えて消滅に向かっている?

[2017年02月26日]

―もちろん、尊敬すべきものも必要でしょうが。「我々は“親殺し”しなきゃいけない」というのが私の考えで。それを乗り越えないと、大人になれないというか。

下重 そうそう。私も実際に殺しはしなかったけど、心の中では何遍も殺してた(笑)。今の子にそれが本当にないとしたら、気持ち悪いね。

―動物の子育てを見ても、ある程度育てたら親が子供を突き放して独り立ちさせますよね。でも、人間はちょっと違ってきてしまっている。

下重 「家族は寄り添うのがいい」という向きがあるから。でも、それでは若者は育ちませんよ。そういう意味でも人類はどんどん衰えてきているよね。完全に消滅に向かってる。日本人は特にそうだと思います。

―親と子がべったりで若者が育たないというのはもちろん、日本人男性は“草食化”もいわれるように、メスの奪い合いでは傷つきたくない。それこそエネルギーがいるし、そんなしんどいことをしなくなっている傾向が…。

下重 そう、しんどいことを避けて通ってる。生活全てにラクなほうを求めているんじゃないですか。もちろん何も考えないで、何もしないのがラクだけど、それだとちっとも楽しくないのよ。私もNHKのアナウンサー時代、人と同じことをやってる時は、鏡を見ると魚が腐ったみたいな目になっててね。元々、なりたいと思って始めたわけじゃない、嫌いな職業だったというのもあるんだけど。

でも、NHKの番組紹介のアナウンスを任された時からちょっと変わってきたんです。その仕事は、毎日10秒間で「今日はこんな番組があります」と紹介するものだったんですけど、どのアナウンサーも毎日同じような笑顔を浮かべて、同じような挨拶をしていてね。見ていて「毎日こんな同じことをやってて、バカか」って(笑)。

だから私は「毎日出るなら、毎日違う挨拶にしてやろう」と思って、ネタを探すようになったんです。「今日、日比谷公園を歩いてきましたら、サルビアの紅がすっかり濃くなってました」とか「遠くで雷が鳴ってます」とか毎日変えて。たった10秒間だけど、道を歩いてる時も「何かないかな」ってキョロキョロしてね。

―毎日違うネタって、もちろん大変でしょうけど。そうやって前向きに…。

下重 結構しんどいことだったのよ。でも、そうしているうちに目が輝いてきて「あの人の挨拶は面白い」って反響がくるようになって、社内でも他の番組を任せられるようになりました。自分で楽しむ努力をしたら、どんどん道が拓けていった。そうして、ずっとやりたいと思っていた文章を書く仕事もできるようになって、出版社から本を頼まれるようになった。

だから、最初にも言ったけど「楽(ラク)」を「楽しい」と読ませちゃダメですね。しんどいことをやらない人は、本当の楽しさがわかりませんから。


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