週プレNEWS TOP 連載コラム 週プレ外国人記者クラブ “フランスのトランプ”が大統領選で躍進。その先にあるのは「EU崩壊」と社会の「分断」か…

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“フランスのトランプ”が大統領選で躍進。その先にあるのは「EU崩壊」と社会の「分断」か…

[2017年03月02日]

「極右のル・ペン氏がフランス大統領に選ばれる可能性は排除できなくなってきた」と語るメスメール氏

世界を震撼させた“トランプショック”がフランスで再現される? 4月に始まるフランス大統領選挙で極右政党・国民戦線の代表、マリーヌ・ル・ペン氏が急激に支持を伸ばしているのだ。

「週プレ外国人記者クラブ」第67回は、仏「ル・モンド」紙の東京特派員、フィリップ・メスメール氏に注目すべき候補や大統領選の行方について話を聞いた。ル・ペン大統領が誕生したら、世界はどうなる!?

***

─トランプ大統領が就任して以来、アメリカ国内はもちろん、世界中が大変なことになっています。今年はヨーロッパでもフランスの大統領選挙や国民議会選挙、ドイツの連邦議会選挙など、重要な選挙が次々と控えています。フランス大統領選挙は今、どんな状況になっているのでしょう? やはり“トランプ旋風の余波が及んでいるのですか?

メスメール フランスの大統領選挙は2回に分けて行なわれます。まず4月末に1回目の投票があり、上位2名による「決戦投票」が5月上旬に行なわれる予定です。最終的な立候補の締め切りは3月16日ですが、既に出馬を表明している主な候補を紹介しましょう。

まずは極右の国民戦線(フロント・ナショナル)代表のマリーヌ・ル・ペン氏。彼女はフランス第一主義を掲げる、いわば“フランスのトランプ”ともいうべき存在で経済政策は保護主義、反移民受け入れ、反イスラム…といった面でもトランプ氏と共通する部分は多い。EUに対しても非常に批判的でEU離脱を訴えていて、急激に支持を伸ばしつつあります。

次に伝統的な右派、共和党のフランソワ・フィヨン氏。彼は経済政策では市場原理を優先する自由主義者で、社会保障や公共サービスよりも民間部門を重視する「小さな政府」を志向していますが、ル・ペン氏のように反EU主義者ではありません。非常に不人気なオランド政権によって、現与党である社会党が信頼を大きく失う中、これまで極右のル・ペン氏に対抗しうる現実的な有力候補と目されていましたが、夫人とふたりの子供たちに対して実体のない「架空雇用」で給与を支払い続けていたというスキャンダルが発覚して批判に晒(さら)されています。

そのフィヨン氏と共に、ル・ペン氏の対抗馬として期待されたのが、自ら「右でも左でもない」と主張する元銀行家のエマニュエル・マクロン氏で、彼は社会党・オランド政権のアドバイザーや経済相を務めた後、政権を離れて今回の大統領選に立候補しました。既存の右と左の両方を批判していますが、大まかに言って経済政策ではフィヨン氏に近く、社会保障や公共サービスに関しては社会党などの左派に近い。ただ、今のところ、ハッキリとした公約、マニュフェストを発表しておらず、その政策には曖昧(あいまい)な部分も多い。また、右派からも左派からも組織的な支援を受けられない点が難しいところです。

一方、社会党の候補となったのがブノワ・アモン氏。伝統的な左派で、社会保障や公共サービスの充実、労働者の保護などを訴えています。今回の大統領選挙では国民ひとりあたり月額600ユーロ(約7万2千円)の「ユニバーサル・ベーシックインカム」(全国民向け最低生活保障)導入や年金受給年齢の引き下げ、労働時間短縮の導入を訴えている点で注目されていますが、社会党は今のオランド政権があまりにも不人気で、信頼も大きく失われているため、苦しい戦いは避けられない。

そのアモン氏よりさらに「左」には、こちらもかつては社会党に所属していた急進左派のジャン=リュック・メロンション氏が立候補。共産党からも支持を受ける彼は、現在のEUのあり方を強く批判。EUが自由貿易優先の経済政策で加盟国の主権を犯し続けるのなら、フランスはEU離脱も考慮すべき…という立場です。


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