新宿ロフトプラスワンにてマキバオー完結記念イベント「マキバオー×つの丸ナイト」が開催された

『週刊プレイボーイ』本誌と「週プレNEWS」で約10年間にわたって連載した『たいようのマキバオー』『たいようのマキバオーW』がついに完結! 2月24日、東京・新宿ロフトプラスワンにて完結記念イベント「マキバオー×つの丸ナイト」が開かれた。

前売り券は即完売、当日は会場に約170人ものマキバオーファンが集まった。まずは司会進行を務めるお笑い芸人のデスペラード・武井志門と作者・つの丸先生が登場し、会場は大きな拍手に包まれる。

さらにスペシャルゲストゲストとして、シリーズの主人公・マキバオー(着ぐるみ)もお祝いに駆けつけ、つの丸先生の音頭で乾杯! この日はマキバオーをイメージしたカクテル「白い奇跡」や、たれ蔵(マキバオー)の好物のりんごを使ったデザート「たれ蔵スイーツ」などの特製メニューもあり、ファンは食事でもマキバオーシリーズを楽しんでいた。かくしてイベントは、様々なコーナーに分かれトーク形式で進行。まずは「マキバオー完全ヒストリー」と称して、執筆の年表とともにシリーズの歴史を振り返った。つの丸先生は大学生の頃に漫画を描き始め、1991年に漫画賞「GAGキング」で準キングを受賞するまで、アシスタント経験もなかったというから驚き…。

続く「つの丸先生が選ぶアニメの名シーン・ベスト3」では、懐かしのアニメ映像を映しながらの発表にファンは大喜び。3位には、つの丸先生が「宿舎の職員」の声優として出演していたシーン、2位には先生が「アニメオリジナルの演出が光った」と語る、母・ミドリコのいる牧場が倒産したことにたれ蔵がショックを受けて洗濯機の中で回り続けるシーンが選ばれた。

そして1位は、病魔に侵されたライバル・カスケードが圧倒的な速さで駆け抜ける幻を有馬記念の会場にいる全員が見るシーン。「ギャグとシリアスのバランスを常に意識していた」と語る、つの丸先生ならではのチョイスだ。そして、次のコーナー「ジャンプ作家陣がマキバオーを描いてみた!」では、『キン肉マン』のゆでたまご先生や『ONE PIECE』の尾田栄一郎先生、『珍遊記』の漫☆画太郎先生はじめ13人の作家陣が描いた一枚絵を「これ、(売ったら)いくらになりますかね?」と口にしながら紹介(こちらの豪華コラボは『週刊プレイボーイ』11号にも掲載!)。

また、この企画に参加し、会場にも訪れていた『いぬまるだしっ』の大石浩二先生がここでステージに呼び出され、「(イラストに添えられた)コメントがもう少し面白ければな~」とイジられる始末…。

イベントも後半戦に突入!

そして休憩をはさみ、後半戦始まりのコーナーは、つの丸先生への「質問コーナー」。「描いている途中で、レースの結果が変わることはありますか?」という質問に「あるね。馬同士の会話シーンで熱くなりすぎて、つい」と答えるなど作品作りのウラ話が…。

また「『たいよう』シリーズになってからマキバオーがウンコしなくなりましたが、大丈夫ですか?」という問いから、先生の“人生イチ固かったウンコの話”に発展するなど、幅広い(?)話題でファンとの交流が盛り上りまくった。そうして、サイン入りポスターなど数々の記念品が当たる「プレゼント抽選大会」をはさんだ後は、映像企画「先生ゆかりの方からビデオレター」がスタート。送り主は、アニメでマキバオーの声を務めた犬山イヌコ氏やJRA騎手・高田潤氏、高知競馬騎手・赤岡修次氏ら6人。高田氏が「『マキバオー』を読んで、手を目指した」と語るなど、数々のお礼や応援コメントが寄せられた。終盤、つの丸先生は「長い連載でしたが、読み終えて『よかったな』と思えたらこっちも『描いてよかったな』と思えるので、そう思ってください(笑)」とコメント。約10年間をともにした編集スタッフ4人とマキバオーとの記念撮影を行ない、イベントは締めくくられた。

終演後、つの丸先生自ら、サイン入りのコミックスを手渡ししながらお見送り、感激するファンから「いつも元気をもらっていました」「青春時代の思い出でした」などの言葉をもらい、先生も笑顔を浮かべていた。

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発売中の週プレ本誌11号「つの丸 特別メモリアルインタビュー」では、各界からのお祝いコメントを掲載。さらに「超豪華ジャンプ作家陣がマキバオーを描いてみた」では、イベント当日に紹介された人気作家陣が描いたマキバオーも掲載、こちらもお見逃しなく!

(取材・文/アオキユウ[short cut] 撮影/武田敏将)

●つの丸1970年5月27日(46歳)。1992年に『モンモンモン』で連載デビューし、1994年に『みどりのマキバオー』でマキバオーシリーズの連載をスタート。今年、『たいようのマキバオーW』20巻をもってマキバオーシリーズは完結