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巷で話題の「切腹ピストルズ」とは? 江戸庶民の“乱痴気騒ぎ”を現代に伝える和楽器パンクの心意気

[2017年03月03日]

激しい太鼓の演奏で、客たちはトランス状態になって踊り狂う

激しい太鼓の演奏で、客たちはトランス状態になって踊り狂う

切腹ピストルズというネーミングはもちろん、セックス・ピストルズに由来する。当初は一般的なパンクバンドの編成だったが、紆余曲折を経て西洋楽器は全て棄(す)ててしまった。そこに至る背景には、飯田自身が抱いていた、日本人としてのアイデンティティに対する歯がゆさがあったという――。

飯田は今年48歳になる。父親は大正生まれの戦争帰り、母親は昭和ひと桁世代だから、その時代にしてはかなり年を取ってから生まれた子供だ。生活様式などにどことなく昔の色香が残っていたというが、飯田自身は日本の伝統文化には全く興味がなかった。

「10代、20代は、ろくでもないパンク愛好家で、日本なんかなくなったらいい、世界早く終わんねえかなって思ってました(笑)」

青い瞳に憧れ、黒目を脱色する目薬があるという噂を聞きつけると、薬局を探し回ったほどだった。しかし、20世紀も残りわずかとなった頃、長期滞在していたロンドンで転機が訪れた。

「ロンドンでは、10代の頃から好きだったセックス・ピストルズに関わった人たちと話をすることもありました。ピストルズについての話がどんどん深まっていくと、自分には理解できない領域になるんですよ。ピストルズは世間への怒りを表現しているわけだけど、その矛先には、例えばイギリスのババアがいたりする。俺が知っている日本のババアとイギリスのババアは全然違うわけです。

表現の結実としての作品の良さは理解していたけど、それが生まれる背景――生活レベルでの根っこの部分がもっとリアルなんです。生活に密着した土着的なものだから、パンクはイギリス人が100%力を発揮すればいいものなんだ、日本人である自分は自分なりのやり方を見つけたほうがいいだろうと勝手に結論を得て、日本に帰ってきました」

ところが、成田空港から東京までの道のりで、無機質な風景を見ると悲しくなったという。古い建物が保存されているロンドンの美しい町並みとは、あまりにも違う。「では、日本で面白いものはなんなのか」模索し始めた時、たまたま目に飛び込んできたのは落語のポスターだった。

「落語なんて堅苦しいだけで絶対つまんないと思っていました。当時は、家にも帰れないくらい忙しい会社を辞めたばかりで、明日から自由だ、何をしようという時に、一番贅沢に自由を満喫するのは、時間をムダにすることだと。時間をドブに捨てる行為は何かと考えたら、つまらない寄席を昼から夜まで見ることだと思って、浅草演芸場に行ったんです」

つまらないはずの落語は、すぐに飯田を虜(とりこ)にした。名前の読み方もわからない噺家が高座に上がると10分近くひと言も発さなかった。ようやく口を開いたと思えば、「本当はね、俺は今日出る日じゃなかったんだよ。本当に面倒くせえな」と愚痴り始めた――これはすべてマクラだった。あるいは、奇術師が皿を回しながらヨロヨロと客席に降りてきて、頭上の皿を見上げながら、客の懐からそっと財布を抜いた。

「寄席は無礼講だし、絶対TVでは言えないことも言う。堅苦しいと思っていた落語が、酒のことしか考えてないようなろくでなしの人たちがやっているんだなって。寄席ってこういうところなんだと、もう取り付かれました」


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