活躍が期待される女性シンガーとして注目を集めている脇田もなり

2017年、最も活躍が期待される女性シンガーとして注目を集めているのが脇田もなり(22)だ。

彼女は、80年代のブラックミュージックを主体としたサウンドで人気を博す大阪発のグループ、Especiaのメンバーとして2012年から活動し、昨年2月の卒業後、11月にシングル「IN THE CITY」でソロデビュー。

洗練されたシティポップサウンドと愛らしい歌声で話題となり、3日に1本という驚異的なペースでイベントに出演、全国を駆け回っている。

2月15日に発売された新曲「BOYFRIEND」はカイリー・ミノーグを彷彿(ほうふつ)させる80年代のシンセポップ。女のコの恋心をキラキラとしたメロディに乗せて爽やかに歌うこの曲も早速、話題を呼んでいる。

すでに新曲に向けての制作も開始しており、ライブイベントの多い夏にはますます注目を集めそうだ。そこで彼女を直撃、ニューヒロインの素顔に迫った。

―最新シングルの「BOYFRIEND」、80年代テイストのとてもチャーミングな曲ですね。めちゃくちゃヘビロテしてます! 

脇田 うわー。ありがとうございます。80年代ってことで、すごく華やかなんですよ。それもあって楽しく歌わせていただきました。

―特にシンセの音がキラキラして可愛らしい! なんだかカイリー・ミノーグを思い出しましたよ。

脇田 あ、まさにそういう感じです。男のコに向かって「恋をしようよ。ぎゅっと抱きしめて」って、歌詞も可愛いんですよね。是非、女のコも一緒に歌ってほしいです。

―この曲、ライブではすでに相当、盛り上がってますね。「ボーイフレンド!」ってサビをファンが大合唱してて、あまりの激しさに圧倒されました。

脇田 ライブでお客さんと一体になれる曲がずっとほしかったんです。嬉しいので毎回、押し付けるみたいに煽(あお)ってます。「一緒に歌って~!」みたいな(笑)。

―そんな可愛く言われたら歌っちゃいますよ! それにしてもソロデビュー4ヵ月にして、早くもリリースが2枚目。ライブイベントへのオファーが殺到してるとか。すごい勢いですね。

脇田 本当に嬉しいです。この間、生誕祭をやらせていただいた時も北海道や沖縄から来てくれる方もいて、もう泣きそうになりましたよ。

ストレスがたまっていっちゃって、もう限界でした

―元々、脇田さんは大阪でEspeciaってアイドルグループをやってたんですよね。どんな経緯でメンバーに?

脇田 高校の時、アイドルのオーディションを一緒に受ける仲間を探してるって人がいて。で、聞いたら、歌って踊れるガールズグループのイメージだっていうので、私も受けてみたんです。そうしたら受かっちゃいました。

―Especiaって、80年代のディスコでかかってたようなソウルやファンクを歌う異色のグループでしたよね。明るくポップなアイドルソングというよりミラーボールが似合う感じというか。

脇田 最初、曲を聴いた時は馴染みがなさすぎて「何これ? 無理やろ!」って。私の中でガールズグループって少女時代やKARAのイメージだったんで(笑)。でも不思議なもので、ずっと聴いてるとカッコよく聞こえてきましたけどね。今は同年代が聞くようなJポップよりスティービー・ワンダーとかのほうがいいなって思ったりするし。

―おーっ、渋いですね! で、当時から歌は得意だったんですか?

脇田 ただ好きだってくらいでしたね。でも「ナイトライダー」って曲を最初にみんなで歌った時、「面白い声だね」って言われたんですよ。それでソロパートをいただいちゃって。ステージに立てるだけでも嬉しいのに、もう感動しちゃって。それまで自分の声って笑われたこともあるんですよ。

―脇田さんの歌声って特徴的ですよね。少し高くて子供みたいなんだけどソウルっぽくてエモーショナルというか。

脇田 はい(笑)。その声が自信になって、歌うのが楽しくなって。人前で歌うのがすごく楽しくなりました。

―2015年2月にはメジャーデビュー、活動も順調で…と思われたんですが、その後ちょうど1年で脇田さんは卒業しましたね。

脇田 はい。だんだん歌えなくなっちゃって。

―それは曲調が変わったとか? メジャーにいった頃から曲がさらに大人っぽくなったりもしたし。

脇田 うまく説明できないけど、そういうのもあったのかもしれないです。あと環境の変化とか……(沈黙)。ストレスがたまっていっちゃって、もう限界でした。ライブに出ても、声も出なくなっちゃったし。

―そうだったんですね…。やめてからは、すぐソロに?

脇田 いいえ。まだ大阪に住んでいたし、ちょっと休憩して考えてみようって思ったんです。

心の奥底ではひとりで歌いたいとは思ってたけど、ステージにもう一度立ったとしても、みんなが受け入れてくれるのかなって考えちゃったり。いや、そもそもひとりで立ったことはなかったんで、できるのかってのもあったし。

一緒にやろうって言葉が嬉しかった

―不安が先に立ってしまったんですね。

脇田 すごいビビリ症というか。でも、なんとかしなきゃと思って5月に東京に出てきました。それでチャンスがあればやりたいし、無理だったら普通に働こうって。本当にもう賭(か)けみたいな気持ちでしたね。そしたら知り合いのイベントでたまたま今のレコード会社の方とお会いしたんです。

―それでソロデビューを誘われたと。

脇田 はい。最初にマドンナのファーストアルバムを聞かせてもらったんです。声はこんな感じに近いからって。

―なるほど。初期のマドンナも幼さが残ったエモーショナルな声ですもんね。

脇田 お話を聞いてるうち、泣いちゃいました。一緒にやろうって言葉が嬉しかったし、ここでも面白い声をしてるからって言ってもらえて。あと同じレコード会社に星野みちるさんがいたのも嬉しいことでした。前に共演させてもらったんですけど、ずっと好きだったんです。

―星野さんこそ、アイドルを卒業後、ソロとして順調に活躍してますよね。

脇田 みちるさんって歌ってる姿がすごく幸せそうなんですよね。それで自分も頑張ってみたいなって。

―11月にファーストシングル「IN THE CITY」を出して、満を時してのソロデュー。すぐにライブが続々と決まって、年末まで3日に1度のペースでやるという大反響ぶりで。

脇田 こんなに待っててくれてる人がいたんだってビックリしました。曲を出したのはいいけど、否定的な言葉が返ってくるんじゃないかと勝手に思ってたんで。でも、いろんなところでライブをやらせてもらってるうち、少しずつ自信になってきました。

―それにしても、いつもネガティブなところからスタートしますね(笑)。普段、エゴサーチとかしちゃうタイプですか?

脇田 します、します! 自分がどう評価されてるか気になっちゃって。まぁ、今はそこまで気にしなくなりましたけどね。自分の歌を聞いてもらえる人がいるだけで、幸せなんだって思えるようになしましたし。

今は1日も早くワンマンコンサートをやりたいです

―そんな脇田さんに週プレ的な質問ですけど、「BOYFRIEND」にちなんで好きな男性のタイプを教えていただければ。

脇田 えっ! なんだろう。そういうのって聞かれたことなくて。

―ESPECIAの頃から?

脇田 1度だけですね。え~っ。そうだな~。いっぱい話を聞いてくれて、ワチャワチャできる人がいいですね。

―ワチャワチャって(笑)。

脇田 一緒にいて楽しい人! うん、それですね(笑)。

―じゃあ理想のデートは?

脇田 ディズニーランドに行きたいです! あとはドライブとかもいいですよね。

―そこは無邪気というか、普通でホッとします(笑)。あともうひとつ、自分はアイドル? それともアーティスト?

脇田 どちらでもいいです。応援してくれる人がそれぞれの眼差しで見てくれれば十分です。でもこの前、22歳になったので、そろそろ年齢的にアイドルとは言ってもらえないんじゃないかなと思いますけど(笑)。

―いやいや、まだまだでしょう。では今後の目標は? 

脇田 今は1日も早くワンマンコンサートをやりたいです。イベントもいいですけど、とにかく自分の歌を聞きにきてほしいなって。

―1年前は歌を辞めようかと考えてたとは思えないほど前向きですね。

脇田 あははは。どれだけ塞ぎ込んでいたのかって感じですよね(笑)。元々は笑ったり、誰かと騒ぐのが大好きなんです。だからいつのまにか戻ってたというか。実家に帰るたびに親や友達から最近楽しそうだねって驚かれるけど。

あ、目標といえば、この間の生誕祭でYUKIさんやAIKOさん、大原櫻子さんの自分が好きな曲をピアノをバックにカバーをしたんですよ。

―ピアノ1本とはシンプルですね。

脇田 今までは楽曲やメンバーの力に頼ってた部分があるんですけど、これからはもっと自分の声を大事にしたいなって。自分の声で、自分自身の気持ちを伝えて、お客さんをひとりでも幸せな気分にできたら。そんな風に思っているんですよね。

(取材・文/大野智己、撮影/武田敏将)

■脇田もなり(わきた・もなり)1995年1月28日生まれ、長崎県五島列島生まれの大阪育ち。血液型=A型。2012年6月1日からガールズ・グループ、Especiaで音楽活動を開始。同年2月29日にグループを卒業。その後、16年9月よりソロの音楽活動を再開。昨年11月16日に1stシングル『IN THE CITY』をリリース。2月15日に2ndシングル『Boy Friend』を発売! 最新情報は公式HPまで。http://www.monariwakita.com/、公式Twitter【@MonariWakita】