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トランプの黒幕が露わにした極右の本性--バノンの手法はいつかファシズムがきた道

[2017年03月04日]

ナチスによるユダヤ人の大量虐殺ーーホロコーストという歴史的事実の一部、もしくは全体を否定するーーこうした主張はホロコースト否認論と呼ばれます。多くは反ユダヤ主義にひもづいた“歴史修正主義”の発露で「600万人も殺されていない」「ガス室で大量殺戮(さつりく)した事実はない」「アドルフ・ヒトラーの指示はなかった」など、様々な流派があります。

そのひとつに「殺されたのはユダヤ人だけじゃない」というタイプがあります。戦争とは多くの人の命を奪うものである→ユダヤ人が多く亡くなったのは事実だが、それはたまたまだ→ナチスはユダヤ人を殲滅(せんめつ)しようとしたわけではない→ユダヤ人の被害だけを特別視するのはいかがなものか……といった具合に、このタイプの主張はどんどん転がっていきます。

そして、こんな疑念が出始めています。国際ホロコースト記念日の声明で「ユダヤ人」や「反ユダヤ主義」に一切触れなかったトランプ政権は、こうした“歴史修正”を試みているのではないかーー。

これは決して根拠のない邪推ではありません。トランプ政権のホープ・ヒックス報道担当は、声明の真意を問われ、こう回答しています。

「ホロコーストでは非ユダヤ人も500万人殺されている」「ユダヤ人だけでなく、すべての犠牲者に配慮した」

一見、正論のようにも思えますが、これは反ユダヤ主義者がよく使う詭弁(きべん)です。「多くの非ユダヤ人も殺された」のは事実でも、その根底にはナチスの優生思想、反ユダヤ的思想があったわけですから。

では、この声明の裏に潜む黒幕は誰か? それはおそらく、ついにNSC(米国家安全保障会議)の正式メンバーにまで出世した“トランプ旋風の仕掛け人”、スティーブ・バノン首席戦略官でしょう。

何度も紹介してきましたが、バノンは極右系ニュースサイト『ブライトバート・ニュース』の元会長で、昨年夏にトランプ陣営の選対本部長に就任し、そのまま政権中枢に入り込んだ人物。彼に対するトランプの信頼は特別なものがあるといわれます。

しかし、過去の言動を見ても、バノンの思想が極めて危険であることは疑いようがありません。白人至上主義、反ユダヤ主義、反LGBT…あらゆる差別のオンパレード。彼がホワイトハウスの中枢にまで入り込んだことで、今後はその極右思想が政策の端々に顔を出し、徐々に「ノーマライズ」されていく(人々がそれに慣れていってしまう)ことでしょう。その第一歩が、あの国際ホロコースト記念日の声明内容だったと考えていいと僕は考えます。


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