これが「でゅえっと」のミートソース普通盛り。山のような量です

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

報道情報番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)ではメインMCを務める人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

今回は、スパゲティ・ミートソースが大好きな彼女が、これまでに食べ歩きして心に残った店を教えてくれた。

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今回は、久しぶりに「食」のお話です! 私はハンバーグやお肉と並んで、ミートソースが大好きです。それも、ちょっと甘くてジャンク感のある、子供っぽい味が好みです。

コンビニでも、週に2回はミートソースのスパゲティを買って食べていると思います。だいたいどこのお店でもおいしいという点では、ハンバーグさえも凌駕(りょうが)する安定感がありますね。

最近は、ミートソース専門店も増えたので、食べ歩きをするのが楽しいです。私がよく行くのは、浅草橋にある「東京MEAT酒場」。ここは麺にすごくこだわっていて、提供するときはミートソースの上に麺をのせた状態で出すんです。

「まず麺だけを食べてください」ということなんですが、確かに麺だけでも十分にイケるんですね。チーズやハラペーニョソースをかけて食べてもグッドです。

新小岩の「フォークダンス」もオススメです。ここは、デミグラスソース、トマトソース、そして季節によってはオマールや桜エビなど、数種類のミートソースを選べます。麺は平麺でソースと絡みやすく、おいしいです。

ほかにも、ビストロ系のお店では、変わり種のミートソースを出すところもちょくちょく出てきました。牛肉の代わりに馬肉やシカの肉を使うお店もあります。ただ、素材やお店のスタイルにこだわればこだわるほど、ジャンク感が薄れてしまうのがミートソースの難しいところ。適度なジャンク感を失わずに、“これぞミートソース”というこだわりの味を楽しめるお店が最高ですよね。

人生で一番、おいしいと思ったミートソースは?

そういう点でバランスがいいのは、阿佐谷(あさがや)にある「ミート屋」。ここは食券方式で、生パスタを釜からジャッと上げて出すスタイルが、ラーメン屋にも通じます。

今、はやりの「ロメスパ」といってもいいんでしょうか。ロメスパとは、「路麺」と「スパゲティ」をくっつけた造語で、そば屋のように気軽に入れるパスタ屋さんを指します。

多くのロメスパ系のように、ゆで置きの麺を使っているわけではないんですが、もちもちの生麺と程よいジャンク感のあるソースは、多くの人がおいしいと感じるんじゃないでしょうか。バランスのいいお店だと思います。

でも、私が人生で一番、おいしいと思ったミートソースは……愛媛・松山にある「でゅえっと」という喫茶店のそれ。まず驚かされるのは、パスタの量です。「小」で300g、普通盛りで800g、大盛りはなんと1300gもあるんです。

いわゆる“デカ盛り”のお店なんですが、そのことを知らずに入った私は、若い店員の女のコに「800gってすごい量だよ? 間違ってない?」と聞いてしまいました(苦笑)。

ただ、知る人ぞ知る有名店だけあって、味は抜群。懐かしい甘みもありつつ、大人っぽいコクがあって、飽きさせません。私は欲張ってほかのメニューと一緒に頼んだので、最後は「もう一生ミートソースは食べない」という気持ちになりつつ、少し食べ残してしまったんですが……。次の日には、また食べたくなりました(笑)。

そんな中毒性のある「でゅえっと」のミートソース。私の“死ぬまでにもう一度食べたいメニュー”の上位に入っています!

●市川紗椰(いちかわ・さや)1987年2月14日生まれ。アメリカと日本のハーフ。モデルとして活動するほか、報道情報番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)ではメインMCを務める。家でパスタを作るときは、ツナ明太マヨやナポリタンなど、ジャンク系が多い」