クラブで声をかけてきた男と始まった一夜の恋は…

こんな彼女にごはんを作ってもらいた~い! 男の妄想を写真で叶えるミニドラマ『パジャマレシピ』。お料理おねえさん・大森麻里が、朝と夜の毎回違ったシチュエーションでアナタの彼女を演じちゃいます。

彼女が語りかけてくるor彼女に語りかける…それぞれの恋愛シチュエーションをその日によって体感ーー。紹介するレシピは朝晩のメイン食材は同じでコンビニでも買えるもの。簡単&クイックメニューで料理の幅も広がって、恋愛ムードを楽しみながら女子ウケしそうな料理男子にもなれちゃうぞ!

ふたりの関係が始まったのは1ヵ月前。友達とクラブへ来ていた彼女にTくんが声をかけて、そのまま家へ…。お互い知っているのは名前とラインだけ。気まぐれに連絡してくるラインを嫌がるでもなく応じてきた彼女がこの日、見せたのは淋しげな横顔。心の内は届くのだろうか?

シャワーの音が止んでしばらくして、ドアを少し開けた。「俺も浴びたいんだけどさ」と声をかけようとしたけど、「あっ、ワリィ」ってそのまま閉じたのは、こんな表情だったからだ。美容師の俺は昨日、面倒な客の髪を切ったせいかむしゃくしゃした気分になって夜中、ラインで「ひま?」とひと言で呼び出した。

すぐ「うん」と返ってきたと思ったら、タクシーで「3千円くらいかかっちゃった」距離から俺の家へ来た彼女。そういう女にはそれなりの扱いがあるというもので、寂しそうな表情をされても困るのはコッチだ。

「やっぱ、俺もシャワー浴びるわ」バスルームの洗面台で髪を乾かし終わった彼女は、俺のほうを見もせずにうつむいていた。何アピールなんだ? 好きなだけやることをやって、苛立ちは収まったはずなのに、俺の心はまたささくれだつ。

シャワーを浴び終えた彼女は意外なことに…

「Tくん、髪の毛留められるゴム持ってない?」パンツ1枚になってた俺は「そこになんかあるよ」と彼女の右側を指差し、さっさとシャワーを浴び始めた。その小柄で華奢(きゃしゃ)な後ろ姿に、ちょっとしたうずきを感じながら。そう、クラブで会った時は行きずりの…いつもと同じ…。

あの夜、そいつは俺が声をかけた時に少しだけ微笑んだ。(いける)。ソッコー、おごるから、と酒を飲ませた。「あんまり強くないから」と彼女は言ったけど、それを断らない無防備さにつけ込んで家へ連れ帰った。いつものことーー女の数をカウントしていく“ただのゲーム”だったはず。

入る前とは違ううずきを感じて、気まずくなっていつもより長い時間シャワーを浴びた。バスルームから出ると、彼女はキッチンでパンを切っていた。「大通りの向かいのベーカリーの食パン、有名なの知ってる?」ああ、いつも並んでるあの店か…。「買えるチャンスってあまりないから。朝ごはんでも作ってみようかなと思って。開店直後でラッキーだったよ」いきなり、朝メシ作るなんて、それも女のあざとさか? 内心は(やっぱ面倒くせ…)と舌打ちしながら、俺は「いいね」と答えた。

彼女の行動は彼の心に…

(つーか、でも確かにこれ、うめーし)その意外さに、ほとんど食べることのない朝メシを完食とは。だけど、食べ終わってふと見た彼女は、またさっき見たのと同じような表情をしてうつむいていた。「なんで、連絡くれるの?」きたよ、超絶面倒くさい質問する女のお約束が…。

けど、俺からは自分でもうんざりなセリフがすっと出てきて、「気になるからだよ。しかも俺、朝食食べない派なんだけど、こんな全部食べちゃったサンドイッチ作るコ、特別でしょ。いやマジ!」いつも通り、顧客を惹きつける営業スマイルを浮かべながら…なんだけど、また変なうずきを感じて気まずい。少しだけ微笑みを浮かべた彼女は、きっと自分が特別になれたと勘違いしてる。でも、このサンドイッチ、俺もいつもと違う気持ちにさせるのはなんでだ?

■恋愛レシピ17 生姜焼きサンド(1人前)

豚の生姜焼き…1パック食パン(8枚切り)…2枚とろけるチーズ…1枚マヨネーズ…適量ゆで卵(半分に切る)…1個レタス(食べやすい大きさにちぎる)…3枚大葉…5枚ラップ…適量

1.生姜焼きは表示通りに電子レンジで温めておく。2.食パンは2枚のうち1枚にチーズをのせて、オーブントースターで焼く。チーズをのせてない方には、トーストした後に片面にマヨネーズを塗る。3.ラップの上にチーズをのせたほうの食パンを置き、レタス、豚の生姜焼き、ゆで卵、大葉の順で具を重ねて置き、もう1枚の食パンを上に置きサンドする。4.ラップでピッタリと包み、ラップの上から包丁で切る。あればワックスペーパーで包む。

出演:大森麻里 オフィシャルサイトhttps://mariomori.amebaownd.com/

撮影:唐木貴央(人物)/早川善博(料理) ヘアメイク:大田奈々恵 編集協力:渡邉裕美