「DAZN」はJリーグ独占だけでなく、野球やバレーボールなど、いろんなスポーツを見放題できるのが日本人に合う?

Jリーグ放映の独占権を持つ「DAZN(ダ ・ゾーン)」がドコモと提携して話題となっている。

果たして日本でも普及するのだろうか? 『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、その可能性を論じる。

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ホリ ソフトバンクの「スポナビライブ」に続き、スポーツ専門動画配信サービスの「DAZN(ダ ・ゾーン)」がドコモと提携して話題になってるね。

ひろ 今はやりの動画見放題サービスで、しかもライブに特化したサービスですよね。Jリーグを放映する独占権を持っているという。

ホリ そうそう。

ひろ まあ、視聴者はコンテンツに興味があるわけで、配信会社はどこでもいいって人が多いですからね。Jリーグが見たいのであれば、それがスカパー!なのかDAZNなのかは関係ないみたいな。

んで、Jリーグ独占ってのもあるんですが、野球やバレーボールなど、いろんなスポーツを見放題できるってのがすごく日本人に合うような気がします。

ホリ 日本人は、いろいろなスポーツを観戦して楽しむ傾向があるからね。

ひろ そうですね。それって、クリスマスを祝って、その1週間後には除夜の鐘を聞いているという、いい意味での節操のなさが影響してるのかも。

ホリ 確かに。そういうこともあるから、DAZNは日本でのサービスを開始したんだと思う。

ひろ コスト面もありますよね。例えば、アメリカで同じようなサービスをやろうと思ったら莫大(ばくだい)な費用がかかります。ホッケーやアメフトなどは、アメリカでは異様に人気があるため放映権料はかなり高額なはずです。

そういったコンテンツも満遍なく押さえようとするととんでもない額になる。なので、まずはお手頃価格なアジアからってことかも。

Jリーグはお買い得?

ホリ ちなみに、アメリカのメジャーリーグサッカーは最近、Jリーグの市場規模を超えたらしいよ。

ひろ ってことは、Jリーグはお買い得価格ってことですね。

ホリ しかも、円安で日本の放送権が比較的割安になってる。そして、今投資しておけば人口が増え続けるアジアマーケットでもそれなりに回収できる。

ひろ Jリーグに所属するアジア人選手の国でも放映権が売れたらいいなぁってのもありそうですね。DAZNはJリーグと10年の契約を結んでいるらしいですけど、ってことは、その間にインドネシアのサッカー選手とかが日本で活躍したら、インドネシアの2億5000万人がマーケットになる可能性もある。そう考えるとギャンブルとしては悪くないって判断もあるんじゃないかと。

ホリ 今はアジアのサッカーマーケットを狙っているのは、ユーロと日本とアメリカなんだけど、地理的に近い日本は比較的有利。

ただし、アジアの国々の所得水準が高くなっていくと地元リーグの選手たちの年俸も高くなっていくから、今このタイミングを逃すとヤバい。優秀な選手が自国から出なくなることもあるからね。

ひろ さすがJリーグのアドバイザー(笑)。まあ、日本人ってそこそこお金を持ってますし、DAZNもはやりそうな気がします。

★後編⇒ホリエモン×ひろゆきがDAZNと比較して指摘する日本企業の問題点とは

(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)