週プレNEWS TOP 連載コラム こんな会社で働きたい! 【こんな会社で働きたい!】3・11のその日も「パンを焼きましょう!」ーー被災地で6年間、訪問支援を続けるパン・アキモト

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【こんな会社で働きたい!】3・11のその日も「パンを焼きましょう!」ーー被災地で6年間、訪問支援を続けるパン・アキモト

[2017年03月19日]

“救缶鳥”の缶(通常の倍の200グラム)を持つ秋元信彦部長

“救缶鳥”の缶(通常の倍の200グラム)を持つ秋元信彦部長

前述の通り、救缶鳥プロジェクトはパン・アキモトの名を広めた。だが、それは同時に国内外の被災地支援を無期限にやり続けると世間に約束したことを意味する。

パン作りではない仕事の負担も増えるが、当時、会社にパン職人はいても、経営は社長のリーダーシップだけが頼り。しかも20代の社員はふたりだけで、平均年齢は50代後半だったという。今後の会社運営に必要なのは若い力に他ならなかった。

社長は「2011年には新卒を迎える会社にしよう」との目標を持ち、救缶鳥プロジェクトの構想を練っていた2007年、会社の新体制の舵取りを東京の大手旅行代理店で働いていた長男の信彦さんに打診した。

「パン・アキモトは新しいパイオニアの時代に入る。だから、おまえが一番苦労する。その一番苦労する時に汗水流して、涙流して、一番辛い思いをしなければ、あとあと楽になった時に戻ってきても人がついてこない。帰ってこないか?」

この年、28歳になった信彦さんは結婚したばかりだったが、チャレンジ精神をくすぐられたのか、「帰る」ことを決めた。大手旅行代理店では6年間、有能な社員たちに囲まれながら、いろいろな仕事を経験し、パン屋の仕事もこなしてみせるとのひそかな自信もあった。

だが出社初日、信彦さんの自信とプライドは一瞬で崩れる。教育係としてついたAさん(仮)はその1年前の2006年に入社、かつて零細企業を上場させたほどの手腕を持っていた人だが、入社を間近に控えた信彦さんに「キミは僕をすぐに嫌いになるから」と宣言。

果たして出社初日、信彦さんが「おはようございます」と挨拶をして事務所に入ると、すぐさまAさんが机をひっぱたき、「何様だ? 帰れ!」と一喝された。信彦さんは、つい、お客様用の正面玄関から入ってきてしまったのだ。

社長の息子だからと特別扱いはしない。むしろ、他の社員よりも厳しく扱われ、「人より1時間早く出勤して、1時間遅く退勤する」ことが今も続いている。

入社から3ヵ月間は朝3時に出勤してパン製造を経験し、缶詰加工を見て、夜10時まで店番。帰宅後は疲れた体に鞭打ち、レポート作成に身を削った。そのレポートを皆の前でA氏に呼びつけられ、「使いものにならない!」と破り捨てられた。仕事の失敗には始末書を書いた。

いつしか、始末書や反省文は数冊分の厚さになった。泣いたこともある。だが、今の信彦部長は「得難い経験をした」と振り返る。

●後編⇒「ありがとうカード」で社員が価値を認め合う、小さなベーカリーが世界の“お困りごと”を解決する!

(取材・文/樫田秀樹)


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