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教育格差が拡大、メンタルヘルスにも悪影響…従来型の「受験学力」を否定する2020年度入試改革は危険!

[2017年03月30日]

新著『受験学力』で、文科省の入試改革に警鐘を鳴らす和田秀樹氏

2020年度から大学入試が変わる。この入試改革では、知識を詰め込む「従来型の学力」が否定され、面接や小論文などで「生きる力」が問われるという。

一見、良いことのように思えるが、多くの受験関連書を出版してきた精神科医の和田秀樹氏は、新刊『受験学力』(集英社新書)の中で、この改革は多くの危険を孕(はら)んでいると警鐘を鳴らす。どういうことか?

***

─2014年12月、中央教育審議会から「新しい時代にふさわしい高大接続の実施に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」という「答申」が、そして16年3月には文科省の諮問会議「高大接続システム改革会議」から答申の内容を具体化した「最終報告」が出されました。これに対し、内容を精査し、警鐘を鳴らすのが今回の新著『受験学力』ですね。

和田 「答申」には、ふたつの大きな変革が明示されています。ひとつは、既存のセンター試験を廃止して「思考力・判断力・表現力」を中心に評価する「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を導入すること。もうひとつは、この希望者テストの後に各大学で行なわれる個別選抜が内申書、面接、小論文などにより合格者を決めるAO(アドミッション・オフィス)入試化することです。

これは、ただの提言ではありません。この「答申」に主体的に取り組む大学に対しては、インセンティブとして財政的措置を検討することが明言されているからです。現在の日本には、本来の意味での「国立大学」は存在しません。「国立大学法人」という名の独立法人であり、日本の大学には米国のように大学が資産運用を行なったり、企業をスポンサーとして研究費を集めたりといった文化が根づいていないため、各国立大学法人の経営は文科省からの補助金に大きく依存しています。その意味で、単なる提言ではなく、限りなく強制に近い効力を持つものといえるでしょう。

この「答申」を具体的にどういう形で実現していくかを示した「最終報告」では、2020年度から(2021年春から)大学の入学試験が大きく変わることが確認されました。東京大学ではすでに2016年春の入試からAO入試が導入されています。


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