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中国から見た森友学園問題「幼い子供たちにこのような教育が…なぜもっと議論が起こらない?」

[2017年04月06日]

─4月3日には菅官房長官が記者会見で、教育勅語を現在の道徳教育で使うことについて「否定できない」と語っています。森友学園問題をメディアが取り上げるようになってから、文化人のような人たちの中にも「教育勅語は悪くない」といった意見も出てきています。

 菅官房長官の発言は3月31日の閣議決定を受けてのものですから、現在の安倍政権は教育勅語を否定していないということです。しかし、これは先ほど述べた1948年の衆参両院での決議と明らかに矛盾するものです。

確かに教育勅語の内容を見ると「親孝行」や「家族愛」といった、孔子も説いているようなものが含まれています。こういった内容が時代や国境を越えて価値を持つものであることはわかります。しかし一方で「国に事変が起これば一身を捧げて君国のために尽くせ」といった内容も含まれています。

これは単純化して言ってしまえば、「天皇陛下のために命を捧げよ」ということでしょう。このような教育勅語を過去の国会での決議との矛盾さえも無視して現代に復活させようというのは、どう考えても疑問です。特に、日本との間に歴史問題を抱える中国では「日本が戦前に逆戻りして、再び軍国主義化か!?」といった懸念もネット上で飛び交っています。

─文科省が3月31日付の官報で告示した「新学習指導要領」では、戦前の軍事教練で行なわれていた「銃剣道」が中学の保健体育で教える武道に加えられました。確かに「戦前回帰」の兆候が最近の日本には感じられます。

しかし不思議なのは、戦前の国家主義と現在の大きく右に傾いた政治には共通点が見出せるかもしれませんが、現在の風潮には戦前にはなかった大きな特徴がある。それは、反中あるいは嫌韓といった“ヘイトなテイスト”です。戦前の日本は、実質はともかく表面的には「大東亜共栄圏」というスローガンを掲げていて、現在のような露骨なそれはなかったと思います。

 3月23日、森友学園の籠池泰典前理事長が外国特派員協会で記者会見を開きました。私もその場にいたのですが、驚いたのは籠池氏が複数の弁護士を引き連れて同席させていたことです。外国特派員協会における会見では、私はこのような光景を見たことはありませんでした。

この会見でも、私は塚本幼稚園の教育内容について質問しました。2015年の運動会で幼児たちに「日本を悪者として扱う中国や韓国が心を改め、歴史教育でウソを教えないようにお願い致します」という宣誓をさせたことについて「教育上、正しかったとお考えですか?」と訊(き)きました。

すると、他の質問にはいつも報道番組で見ているように独演会の調子で自説を並べ立てていた籠池氏が、弁護士と長々と打ち合わせしてから答えました。しかも、その内容は「運動会で言ったことは、尖閣諸島の問題を指している」というもので、私の質問に対する答えにはなっていませんでした。

そこで「中国人や韓国人のことについて具体的にどのようなことを教えたか、お聞かせください」と再度質問すると、また弁護士と相談して次のように述べました。

「中国の公船が尖閣に入ってきた。泥棒と同じだ。日本人は優しい民族だから仲良くしようと言うが、イケナイことはイケナイと子供たちに教えないと判断基準が狂う」

この答えも、尖閣諸島の領有問題という国全体が関心を寄せる案件を持ち出すことで、自分が運営する幼稚園での教育内容という個別の問題から話を別の方向に逸らそうという意図がうかがえます。

いかに私学とはいえ、判断能力のない幼い子供たちにこのような教育が行なわれてきたことについて、なぜもっと議論が起こらないのか、私はその点が不思議でなりません。


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