相手校から研究され尽くされた感もある清宮。最後の夏、激戦必至の西東京大会を勝ち抜けるか

よもやの2回戦敗退で清宮幸太郎(早稲田実業)の春が終わった。2試合で9打数3安打を放つも、本塁打、打点ゼロと静かに甲子園を去った「怪物」をプロのスカウトたちはどう見たか?

それでもスポーツ紙には「スイングスピードは断トツ」「ハンドリングが柔らかく、ボールをとらえる技術は高校生でもトップクラス」など、相変わらずの賛辞が並んだが、こうした持ち上げ方に、セ・リーグ球団のスカウトは顔をしかめる。

「実名の出る新聞コメントで、わざわざけなすスカウトはいませんよ(苦笑)。清宮は今大会では思ったよりも勝負されていましたが、打ち損じが多く、特に弱点であるインハイはさっぱりだった。もちろん優秀な選手であることは確かですし、柔軟性は高校時代の松井秀喜より上でしょう。ただパワーも技術も、あくまで高校生レベルとして抜きんでているにすぎません」

さらに同スカウトが続ける。

「清宮の打球の角度は、ホームラン打者特有のアーチを描くものではなく、おおむねライナーに近い。プロでは完全に中距離打者タイプでしょう。となると問題となってくるのが彼の守備力です。一時は三塁や外野もトライしていましたが、今、一塁を守っているということは、それらが“不合格”だったということ。でも中距離打者でファーストしか守れないとなるとプロでは厳しい。せめて外野で使えるメドが立たないと…」

早くから今秋のドラフトでは何球団が1位指名するかと騒がれていた清宮だが、ここにきてやや雲行きが怪しくなってきた感も。

また、パ・リーグ球団のスカウトからは、こんな情報も…。

「彼の性格や野球に対する姿勢、メンタル面にもやや不安ありですね。聞く限り清宮はそれほどストイックではないという話も耳にします。清宮家は自宅地下のトレーニングルームに、父・克幸さんが早大OBのスポーツ関係者らを招いて“個人トレーニング”をさせているといいます。だが、それも裏を返せば父親がマンツーマンであたらないと本人が手を抜くから、ともっぱらのウワサです」

前出のセ・リーグ球団のスカウトが言う。

「素材はいいが、『超高校級の怪物』かといわれれば、はっきり言ってスカウトたちの意見は分かれるでしょう。それにしてはマスコミも騒ぎすぎだし、これで本人や家族が勘違いするのが一番怖い。高校時代に活躍しても、プロでサッパリだった選手はいくらでもいますからね」

ともあれ、清宮にはまだ夏がある。再び甲子園で「怪物」の雄姿が見たいものだ。