週プレNEWS TOP 連載コラム "本"人襲撃 橋本治が示す“混沌とする世界”の見取り図「今の日本には正義もモラルもない」

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橋本治が示す“混沌とする世界”の見取り図「今の日本には正義もモラルもない」

[2017年04月11日]

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「世界情勢が混沌として複雑になってきたときほど、『いっそ全部単純化してしまえ!』というリーダーが世界中で登場する」と語る橋本治氏

イギリスのEU離脱、ドナルド・トランプのアメリカ大統領就任など、世界は今、これまでの常識では理解することができない混乱の渦に巻き込まれている。

私たちはその状況をどうとらえ、どんな未来を描けばいいのか? 今回、次世代へのメッセージも込められているという、初めての語り下ろし形式の著書『たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ』を出した橋本治さんに、乱世の見取り図を示してもらいました。

* * *

―橋本さんにとって初の「喋(しゃべ)った本」ということで、50代のライター・カワキタ君と“バブルを知らない若者代表”の編集者・ホヅミ君(30代)のふたりに、諭すように議論を展開していく様子が、ライブ感もあってすごく新鮮でした。

橋本 私は基本的に、ある程度年を重ねた大人にいまさらものを言ってもしょうがないと思ってる人なので、ホヅミ君のように何かにつけて「それはなぜ?」という疑問を発する人がいてくれるのは、複雑な世の中を説明するには、かえっていいんじゃないかと思ったんですね。

―「天の配剤」ともいうべき存在だと書かれていましたね。

橋本 でも、いざ始めてみたら話を進めやすいどころか、死ぬほどしんどかった(笑)。「なぜ?」がごまんとあるもんで、全部納得させるためにはどうしても話が長くなっちゃうの。

―イギリスのEU離脱を読み解くにあたって、まさか紀元前のアレキサンダー大王の東方遠征から話が始まるとは、いち読者としても驚きました(笑)。

橋本 それは、EU離脱が「経済圏が大きいほうが有利」っていう考え方の限界、つまり“大きなものの終焉”を象徴する出来事だとしたら、もともとその考え方が生まれた頃の話から始めるのが私のやり方なんで仕方ない。ちなみに喋った内容の3倍、加筆したりもしてますが。

―とはいえ、世界が新しいタームに突入したと感じながら、そこであえてイチから歴史をふり返る理由というのは……?

橋本 未来は過去から生まれるし、過去は未来を考えるためのデータの山なんです。歴史をふり返らないと理解できないぐらい世の中が複雑になったといってもいい。なのに、みんな歴史を知らないで適当なことばっか言ってんだもん。それこそバブルを知らない世代にとっても、「日本にバブル期があった」こと自体は歴史上の事実でしょ?

でも物事を「既知の事実」にしてしまうと、「その実体はなんだったのか?」を考えなくなる。その必要がないから。つまり「知っている」ということは「実は知らないままでいる」という事実を隠してしまうんです。それってトランプが自分の知らない話を「フェイクニュースだ!」って言うのと表裏だから。


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