無修正の動画配信サイトとしておなじみの『カリビアンコム』の制作担当者が、ついに逮捕された。
国内でもオンライン上のアダルトコンテンツへの風当たりが厳しくなってきているが、アダルトとともにネット上の“グレーゾーン”といわれているのが、オンラインカジノだ。
『週刊プレイボーイ』本誌で「石川英治のホワイトハッカーなんでも相談室」を連載中のホワイトハッカー・石川英治が解説する!
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―石川さん、これって日本国内からアクセスして遊ぶ場合、そもそも合法なんでしょうか?
石川 配信元の国からちゃんと許可を受けて運営している合法のオンラインカジノでチップを借りて遊ぶなら基本は問題ないはずです。ただし、チップをお金に換金した時点で、日本国内では違法になるんですよ。
―換金ナシだと、カジノの意味ないかと!
石川 そうなんですよ(笑)。昨年は海外のオンラインカジノで遊んでた日本人が単純賭博罪で略式起訴されています。無修正アダルトコンテンツ配信と同様に、これからは取り締まりがもっと厳しくなると思いますよ。
―でもこうやって検挙される人が出る一方で、すでにグレーゾーンな抜け道テクとかあったるするんじゃないですか?
石川 例えば、ビットコインに換金できるようなサイトを使うと、違法に得た金ではあるけど、その違法行為の証明がほぼできないですよね。ただ、この手口が拡散すると非合法集団のマネーロンダリングの手段として活用されそうなんで、いろいろと闇は深いです。
―オンラインカジノではなく“インカジ”というのもあるそうですが、これはいったい?
石川 インターネットカジノ、略して“インカジ”です。実店舗型でお店がお客の現金を預かり、そこでオンラインカジノで遊ばせて、チップをその場で換金します。“インカジ”は完全にアウトなやつですよ(笑)。
“オンラインカジノ必勝法”が高額取引
―ところで、オンラインカジノ関係の詐欺もあったりするんでしょうか?
石川 現在、情報商材販売サイトやネットオークションなどでは、“オンラインカジノ必勝法”が高額で取引されています。まー、詐欺とまでいかなくても、これらはゲームシステムを攻略できるとうたう“謎の理論”が羅列されているだけですからね(笑)。役には立ちません!
―過去にオンラインカジノ本体がハッキングされた事件などはありますか?
石川 10年ほど前にフィリピンのオンラインカジノのガチな攻略法が流出して、対策されるまでの1週間は大当たりが連発して相当儲かった人がいるみたいですよ。
―それ、あんたの仕業か!
石川 いやいや、僕じゃない(笑)。フィリピンのプログラマーがやったみたいです。とりあえず、オンラインカジノは国内で逮捕者も出たほか、勝ったお金が振り込まれないなどのトラブルも多いです。現状だと、リスク高いですよね。
●石川英治(いしかわ・ひではる) 1969年生まれ。現役の“ホワイトハッカー”で、ネットワーク犯罪評論家。不正アクセス禁止法の施行(2000年2月13日)以前は、バリバリのハッカーとしてやんちゃなことも