広島の岡田は4回を投げて7四球も、明らかなボール球は少なかったとか。この日の球審との“再戦”はある?

今季のプロ野球で開幕早々、なんともトホホな日本歴代タイ記録が飛び出した。

舞台となったのは4月1日にマツダスタジアムで行なわれた広島対阪神の2回戦。この日、マウンドに上がった両軍投手の制球が乱れに乱れ、9回までに出した四球は合わせてなんと26個! これは80年ぶりの歴代最多タイ記録で、草野球でもなかなかお目にかかれない珍記録だ(試合は延長戦に突入し、最終的に四球は27個を記録)。

当日は特に悪天候でなかったというが、いったいグラウンドでは何が起こっていたのだろうか? この日、記者席で取材したスポーツ紙記者が言う。

「ポイントを挙げるとすれば、広島の先発、岡田の初回の投球でした。際どいコースを突く球が多く、明らかなボール球は少なかったんですが、この日の球審のジャッジがとにかく“辛かった”んです。特に右打者の外角低めの際どいところは、まったくといっていいほどストライクを取ってもらえず、気の毒なほど。結局、これがこの日の“基準”となってしまった」

初回だけで実に50分をも要したこのゲーム、岡田は4回で7四球、一方、阪神の先発・岩貞も5回で5四球と序盤から大荒れ。投手が四球を連発すれば、守る野手のリズムが狂うのも「野球のセオリー」だ。この日は記録に残るだけで阪神4、広島1と合計5つものエラーが乱発した。

「四球にエラーと荒れた展開ながら、試合が終始、接戦だったのもタイ記録にひと役買いました。投手は『抑えなければ』という意識が強くなりすぎ、かえって制球を乱す始末。球審も初回の“辛い基準”にとらわれ、その後のイニングも同様の判定しかできなくなってしまった。球審が自分で自分を追い込んでいったようにも見えました」(前出・記者)

その結果、広島は岡田7、中田2、今村1、ジャクソン1、中崎3の計14四球。一方の阪神も岩貞5、松田1、藤川3、マテオ4で計13四球。14時に始まったデーゲームの幕が閉じたのは19時半近く。実に5時間24分にも及ぶ“グダグダ”試合となった。

前出の記者が言う。

「最近の審判は、ジャッジに厳密になりすぎて、試合の進行係というもうひとつの役割を全うできなくなっている気がします」

時間は長いだけで、中身の乏しい試合を見せられるファンからすれば、たまったもんじゃない。