過去3大会のW杯予選突破一番乗りは日本だったけど、今回はブラジルだ。
日本がタイに4-0で勝った翌日(現地時間3月28日)、ブラジルがパラグアイに3-0で勝利。南米予選8連勝を飾り、4試合を残して早々とロシアW杯出場を決めた。
地元開催の前回W杯では、準決勝でドイツに1-7と歴史的な大敗。一昨年10月に開幕した今予選でも、第6節終了時点で6位と苦戦するなど(南米の出場枠は4.5)、ブラジルはパッとしない時期が長かった。それだけに国内では驚きと喜びをもって受け止められている。
立役者は昨年6月に監督に就任し、9月から指揮を執るチッチ監督。彼が監督になって以来、チームは親善試合を含めて9戦全勝、25得点2失点と圧倒的な強さを見せている。
チッチは選手としては無名だったものの、指導者としてはこれまで数多くのクラブで監督を務めてきた。コリンチャンスを率いていた12年には南米王者となり、日本で行なわれたクラブW杯で欧州王者チェルシーを破って優勝。以前から代表監督にと期待する声も多かった。
そして、代表監督になっても結果を残しているので、超辛口のブラジルメディアも今はホメちぎっている。選手も監督への信頼を口にするなど、すべてがいい方向に進んでいる。僕の友人である前監督のドゥンガには申し訳ないけど、監督が代わっただけで、こんなにチームが変わるのかと驚くね。
采配自体に際立った特色があるとは思わない。ただ、昨年夏のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したチームから若手をどんどん引き上げ、中堅、ベテランとうまく競わせている。結果を出しながらも、着実に世代交代を進めている印象だ。