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シリアへのミサイル攻撃で「米の決意を支持」。ロシアは安倍政権の八方美人外交をどう見る?

[2017年04月14日]

「シリアへの攻撃は、米国内に向けて『米国の影響力の復活』をアピールする象徴的な意味合いが強い」と分析するゴロヴニン氏

4月6日、シリアのアサド政権が化学兵器を使ったとの理由で、アメリカはシリアの空軍基地に59発の巡航ミサイルを撃ち込んだ。

アサド政権を支持するロシアはアメリカの突然の攻撃を、そして「米政府の決意を支持」と表明した安倍政権をどう見ているのか? 「週プレ外国人記者クラブ」第72回は、ロシア「イタル‐タス通信」東京支局長、ワシリー・ゴロヴニン氏に話を聞いた――。

***

─プーチン大統領は米軍によるミサイル攻撃について、「国際法違反で侵略行為だ」と強く非難していますね。

ゴロヴニン 今回のミサイル攻撃は、プーチン政権に大きな打撃を与え得るものだからです。オバマ前大統領はアサド政権の化学兵器使用に対して武力制裁をチラつかせながら、結局は何もできなかった。そして2013年以降は、国際社会における力関係で完全にロシアが米国より優位に立ってきました。トランプ大統領が指示した今回のミサイル攻撃は、この「ロシア優位」の状況を揺るがすものだったのです。

─確かに、オバマ大統領の対応は国際社会での米国の存在感を大きく失墜させましたね。そして2014年にはロシア軍がウクライナに展開し、ウクライナ領だったクリミアがロシアに併合されました。

ゴロヴニン 中東でも米国の伝統的な同盟国だったイスラエル、サウジアラビアがオバマ政権の消極姿勢に疑問を持つようになり、ロシアとの関係改善、より密接な関係を構築する方向に傾いていきました。今回のミサイル攻撃は、こういった中東での米国のプレゼンス低下を打開しようというものでもあり、それに対し、2013年以降、米国とのパワーゲームを優位に展開してきたロシアが不快感あるいは憤りを持つのは当然といえるでしょう。

しかし、ミサイル攻撃を指示したトランプ大統領の思惑としては、国際社会における事情以上に米国の国内事情が大きく働いたと推測できます。ひとつには、2016年の大統領選で勝利して以降、米国内には「トランプの側近には“ロシアに近すぎる”人物が多い」という批判が根強く存在しています。今回、ロシアが支持するアサド政権の空軍基地を攻撃したことで、こういった批判を封じ込めようとしたと考えることもできます。

トランプ政権に対する支持率は今年2月のCNNの世論調査で40%、4月のIBD(インベスターズ・ビジネス・デイリー)とTIPP(テクノメトリカ・マーケット・インテリジェンス)の調査では34%と下落を続けています。この現状を憂慮して選択したのが今回のミサイル攻撃だったという見方もできるでしょう。

つまり、今回のミサイル攻撃は、国際社会に向けた軍事的意味合いよりも、国内に向けて「米国の影響力の復活」をアピールする象徴的な意味合いが強いものだった。そして、パフォーマンスとしては一定の効果を持つだろうというのがロシア側の見方です。

─シリアへのミサイル攻撃で、ロシア国内でのトランプ大統領個人に対する評価に変化はありましたか?

ゴロヴニン ロシアは2016年の米大統領選の段階からトランプ氏に対して概(おおむ)ね好意的な印象を持ってきました。その理由は対立候補だったヒラリー・クリントン氏が「ウクライナ問題」を取り上げ、ロシアへの非難を自分への支持に結びつけようとしたのに対し、トランプ氏はロシアを非難しなかった点がまず挙げられます。そしてもうひとつ、トランプ氏がプーチン大統領の「強いリーダーシップ」に対して高い評価を表明していたことも挙げられます。

こういったトランプ大統領に対するロシア側の印象は、確かに今回のミサイル攻撃によって悪化しました。しかし、オバマ前大統領との比較でいうと「オバマほどの悪ではない」というのが現時点でのトランプ大統領に対する評価だと思います。

─しかし、トランプ大統領は大統領選の段階から「世界の警察官はもうやめる」といった米国の孤立主義を主張してきました。今回のミサイル攻撃はこの主張を180度、覆したものです。

ゴロヴニン トランプ大統領の思考や行動は非常に予測しづらい。そもそも、明確な政治的戦略を持っているとは思えません。ただし、その点はオバマ前大統領も同様だったといえるでしょう。


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