『Pornhub』(上)を16年にユーザーが動画視聴した総時間は45億9900万時間! 5246世紀分というトンデモなスコアをマークした。下は『政府広報』の公式サイト。動画閲覧のアウトとセーフをわかりやすく解説

最近ザワザワしているAV業界。今月には米の無修正動画のサイト制作者が逮捕されたりで、今後の動向が気になるところ…。

そこで注目したいのが、ユーザーにとって最も身近な『XVIDEOS』や『Pornhub』といった海外のアダルト動画共有サイトだ。

『週刊プレイボーイ』本誌で「石川英治のホワイトハッカーなんでも相談室」を連載中のホワイトハッカー・石川英治が解説する!

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―現在、アダルト動画共有サイトでは、日本のAVが著作権無視の状態でアップされまくりですが、これを見るのってそもそもアウトなんでしょうか? 石川さん、お願いします!

石川 著作権を侵害している動画を、PCやスマホへダウンロードして閲覧するのは違法になります。もちろん、著作権のある動画をアップするのも違法です。

2012年に著作権法が改正され、違法ダウンロードの罰則化も導入されて以降は、アクセス元が国内で、しかも配信者が日本にいる場合は違法となり、逮捕される可能性が強くなってきました。アダルト、ノンアダルトに関係なく、アップロードしたら10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金という刑事罰の対象にもなります。

―よく、ストリーミングの閲覧だとセーフとかいいますけど、実際はどうなんでしょうか?

石川 ストリーミングの閲覧は問題ありません。よくいう、動画閲覧中に先読みでデータをダウンロードするシステムである“キャッシュ”についてもOKです。

これらは『政府広報』のホームページでも詳細に解説されていますから、クリーンにアダルトコンテンツを楽しむために、一回はチェックしてほしいですね(笑)。

ただし、これらも取り締まる側の拡大解釈により、今後なんとでもなってしまうのが現状なんですけどね。

アダルト系の架空請求はスルーで

―ちなみに、自分で撮影した著作権フリーのエロ動画をみんなで共有しちゃうのはどうなんでしょうか?

石川 それ、そもそもわいせつ物頒布(はんぷ)になるから、アウトです(笑)。ただ、個人で楽しむためにクラウドサーバーに保存するだけなら大丈夫ですけどね。

―あとあと、最近ですと「高齢者のエロ被害が急増中!」という報道がありましたけど?

石川 これは、有料動画サイトをかたった架空請求に高齢者が巻き込まれるケースですね。高齢者は“いい年して恥ずかしい”というのが先行して、誰にも相談できませんからね。

―若い人ですら架空請求につい入金してしまうケースが多いようですけど、その対処法は?

石川 いろいろと手を変えてアダルト系の請求が送られてきますけど、やっぱりスルーするのが一番ですよ(笑)。

今後、法律の範囲内で安全に楽しめるアダルトサイトが発展してもらわないと、僕らが老人になったときに見るものがなくなっちゃいますからね(笑)。そのためにも、むちゃな違法動画のダウンロードなんかはダメ、絶対です!

●石川英治(いしかわ・ひではる)1969年生まれ。現役の“ホワイトハッカー”で、ネットワーク犯罪評論家。不正アクセス禁止法の施行(2000年2月13日)以前は、バリバリのハッカーとしてやんちゃなことも