快適さ、設備、食事まで進化したカプセルホテル!

就活シーズンかつ、行楽シーズンでもあるこの季節。安く泊まれるホテルを探しているけど、カプセルホテルは汚そうで不安とためらう人も多いのでは?

だが、そんな考えを強く否定するのがホテル評論家の瀧澤信秋(たきざわ・のぶあき)氏。「カプセルホテルが『安かろう悪かろう』は過去の話。今、カプセルホテルの進化がすごいことになっているんです!!」

いったいどうなっているの? “進化系カプセルホテル”の最新事情を徹底研究!!

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■(進化その1)快適なキャビンタイプの台頭

まず、進化系カプセルホテル事情を語る上ではずせないのは、キャビンタイプの台頭だという。

東京メトロ日比谷線「築地駅」2番、4番出口より徒歩約1分の立地 ファーストキャビン築地

「その名のとおり、寝室がキャビン(=飛行機や船の客室)のようになっていて、よりプライベートな個室感が演出されています。清潔感やラグジュアリー感も一段上です。キャビンタイプのカプセルホテルの元祖といえば『ファーストキャビン』。“飛行機のファーストクラス”をコンセプトにしており、洗練されたデザインがこれまでカプセルホテルに泊まっていなかった若い男女から人気を集めています。続々と施設数を増やし、現在は全国に12施設(4月18日現在)と大躍進中で、今後もどんどん拡大されていくでしょう」

【左】広めのファーストクラス。120cm幅のセミダブルベッドが置かれている。1泊6800円。【右】コンパクトながらもスタイリッシュな空間のビジネスクラス。1泊5800円。

飛行機のファーストクラスに乗ったことはないけど、快適そう!! だが、その「ファーストキャビン」がさらなる進化を遂げるとのこと。広報に詳細を聞いてみた!

大浴場の各洗い場の仕切りは大きめでプライバシーが重視された設計。うれしい配慮だ

「これまで『ファーストキャビン』の寝室は一般的なカプセルサイズの2倍の高さの『ビジネスクラス』、その約2倍の広さでサイドテーブルやコンセントもついた『ファーストクラス』の2種類でした。しかし、4月にオープンするファーストキャビン京橋では、さらにグレードの高い『プレミアムクラス』が登場します。サイズは『ファーストクラス』の4.5倍以上。150cmキングサイズベッドに洗面台、トイレ付き、ふたりで泊まることも可能です。施錠もできるため、正確にはカプセル、キャビンの定義を超えていますがカップルなどで宿泊する際に、よりリーズナブルで便利になります」(13歳未満は泊まれないので注意!!)

おしゃれなバーはお酒だけでなく、簡単なおつまみも提供している

細かい工夫がビジネスマンの心に刺さる「グローバルキャビン五反田」

また、「ファーストキャビン」に続くように、キャビンタイプのカプセルホテルは次々と出現。なかでも瀧澤氏が注目しているのが「グローバルキャビン五反田」だ。

グローバルキャビン五反田JR「五反田駅」から徒歩3分。人気のドーミーインのキャビン型ホテル。1泊4990円~

「人気ビジネスホテル『ドーミーイン』の運営会社により昨年オープンした、カプセル業態の施設です。ビジネスホテルに近づくクオリティの宿泊体験を提供するために細かい工夫がちりばめられていて、これがビジネスマンの心に刺さるんですよ!」

具体的には!?

銀座の有名ベジタブルレストランとコラボした特製スムージーが朝は無料で提供される

「まず、キャビンに個人用のワークスペースを設け、プライベート感の高いスペースを実現させている点です。施設の近未来的なデザインも最先端の宿泊スタイルを体験している気分になれていいですね。朝には、銀座のベジタブルレストラン『Ginsai(ギンサイ)』とコラボして開発された特製スムージーが無料提供されています。ゆっくり寝て、しっかり栄養も取れる。ビジネスマンへの労(いたわ)りの心に満ちたホテルなんです!!」

デスクワークができるのはうれしい。キーボードの音には注意

プライベートが守られた個室のような空間。枕元にある充電用のコンセントも便利だ

カプセルホテル選びに迷ったら、まずキャビンタイプを選べば間違いなさそうだ!

設備が一歩先を行く「安心お宿」

■(進化その2)カプセル内外の設備もスゴイ!!

また、瀧澤氏はデザインだけでなく、設備の充実度で勝負する進化系カプセルホテルも増えていると話す。

「設備で一歩先を行っているのは『安心お宿』です。館内の装飾品などをバリ島から直輸入し、リゾート気分が味わえる贅沢(ぜいたく)なカプセルホテル。寝具はシモンズ社製、大浴場にはジェットバスやミストサウナが、ラウンジには無料で使えるマッサージチェアがあり、ソフトドリンクや味噌汁までも無料!」

さらに「安心お宿」のなかでも注目の店舗が初の郊外店、プレミア荻窪店。

JR「荻窪駅」西口より徒歩2分。チェックアウトが15時なので最大24時間の滞在が可能 安心お宿 荻窪店

「ビア&日本酒バルがあり、朝はカレーが無料で食べ放題。ダーツ、マンガ、VR機器も備えるなど、宿泊にプラスアルファの楽しみが加わるサービスが多数。料金高めの都心から少し移動してでも泊まる価値アリです!」

世界各国のビールや地酒を味わえる。バルのみの利用も可

味噌汁は24時間、具だくさんのカレーは朝、無料で提供される

というわけで、本誌記者が実際に行ってみたところ……。

1泊5480円のシアタールームは40インチの大型テレビで1000以上の映画などが視聴可能

VRも体験できる。風景を眺めるものから本格的なゲームまでソフトは充実している

「まず、カプセルホテルがこんなにオシャレなことに驚き!! 『安心お宿』は男性の宿泊限定ってことなんで“男臭”がムンムン満ちているのかと思ってましたけど、全フロアに高機能空気清浄機があって空気がとてもクリーンな感じ。大浴場のドライヤーは最新のダイソンのものでしたし。VRを借りて装着したら、屋敷から桜の木や空を眺めているような風景が見られて、とてもカプセル内にいるとは思えない開放的な気持ちに。『進撃の巨人』や『攻殻機動隊』のVRソフトで遊べるのもうれしい!!」

新感覚の宿泊に、興奮気味の記者であった。

シェフが食事を提供! 進化系カプセルホテルの最新事情を徹底研究【後編】

(取材・文/黄 孟志)