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“ライオンが脱走”デマで被害を受けた熊本市動植物園が大地震を乗り越え開園「動物園は笑顔が生まれる場所なんですね!」

[2017年04月23日]

今年の2月25日から週末祭日のみ、一部開園した熊本市動植物公園

大きな被害をもたらした昨年の熊本地震――。

人間だけでなく多くの動物たちも被災した。東京で活躍する熊本県出身のカメラマン・尾崎たまきが「ライオンが脱走」というデマで二次被害を受けた熊本市動植物園の今を写真でレポートする。

* * *

激震地の益城から7キロほどの距離にある熊本市動植物園が位置する東区健軍(けんぐん)地域の被害も甚大なものだった。当時の状況を熊本市動植物園の獣医であり職員の松本充史さんが振り返ってくれた。

地震のあった4月14日、21時26分。3月30日に生まれたばかりの耳長ヤギの赤ちゃんに授乳中、震度7の揺れが動物園を襲った。身の危険を感じた松本さんはヤギの赤ちゃんを抱え、すぐさま外に出た。暗闇の中、青色灯のランプが、ただくるくると回りながら光り、恐ろしさを助長したという。

揺れが収まると、ヤギの赤ちゃんを室内に戻し、園内を見回った。真っ先に向かったのが猛獣舎。すべての猛獣たちが寝室にいることを確認し、サルやホッキョクグマやキリン、ゾウなどすべての動物たちの安否確認のため、懐中電灯を持って真っ暗の園内を歩いた。

水道管が破裂し、あちこちで水があふれ、想像もできないほどの段差やアスファルトの亀裂が…。園内を走っていた子供列車も崩落。さらにユキヒョウがいた展示スペースの柵にも亀裂が入り、まるで怪獣が踏み荒らしたような光景を目の当たりにしたという。歩き慣れた園内が、スムーズに歩くことさえできないほど激変し、ことの大きさを感じずにはいられなかったという。

そんな中、知人から送られてきた安否を確認するメールに「ライオンが脱走した」との情報があった。松本さんは一瞬ひやりとしたが、たった今、ライオンが寝室にいることを確認してきたばかりだったので胸をなでおろした。

写真をよく見ると、園の周辺ではないのは明らかだった。知人にその旨を返信したが、すでにSNSではそのデマが広まっていた。そこから一晩中、園の電話は鳴り続け、電話応対だけでも随分手を取られた。(その後、ツイッターを使ってデマを流したとして偽計業務妨害の疑いで神奈川県の男性が逮捕)

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