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共謀罪・適用範囲の絞り込みから浮かび上がる安倍政権の“ウソと思惑”

[2017年05月11日]

「対象となる犯罪を従来の676から277と大幅に絞り込んだ」と主張している安倍首相だが…

政府・与党が「テロの資金源となる国際組織犯罪への対応として、国連が求めるパレルモ条約(別名:TOC条約)批准のために不可欠」と主張し、2020年の東京オリンピックに向けたテロ対策の強化を訴えて、今国会での成立を目指す「組織犯罪防止法改正案」。

2003年以降、今回と同じく「パレルモ条約の批准」を主な理由に国会に提出されながら、これまで3度に渡って廃案となった「共謀罪」に代えて、政府は今回の法案に「テロ等準備罪」という「通称」を用い、対象となる犯罪を従来の676から277と大幅に絞り込んだ」と主張している。

だが、政府が大幅に絞り込んだと主張する法案の中身を検証すると、この「テロ等準備罪」が現実には「共謀罪」でしかないということ、そして「テロ防止とパレルモ条約批准のためにはテロ等準備罪の新設が欠かせない」という政府の主張にはほとんど根拠がないことが浮かび上がってくるという。

刑法が専門で、4月25日に行なわれた国会の参考人招致でも証言した京都大学高山佳奈子教授に聞いた。

* * *

─過去3度も廃案になった「共謀罪」法案の審議で政府は一貫して「パレルモ条約の批准には、条約に示された『重大な犯罪=刑期が4年を超える刑法犯』すべてに対して共謀罪を適用することが必要だ」と主張してきました。今回、政府は「テロ対策を目的に共謀罪の構成要件を大幅に絞り込んだ」としていますが、半分以下に減らしても条約を批准できるなら、これまでの主張がウソだったということになりませんか?

高山 その通りです、それに、そもそも政府が「共謀罪の新設が必要だ」とする主な根拠としてきた「パレルモ条約」(TOC条約)は安倍政権が主張するような「テロ対策」を目的としたものではありません。

これについては、国連でこの条約の「立法ガイド」の作成に携わった米ノースイースタン大学のニコス・パッサス教授も先頃、日本メディアの取材に対して「条約はイデオロギーに由来する犯罪のためではない。犯罪の目的について『金銭的利益その他の物質的利益を得ること』と敢えて入れているのはその表れで、思想信条に由来した犯罪のための条約はすでに制定され、国連安保理の決議もある。テロを取り締まるためには、これらが国際基準となっている」と明言しています。

─その上で、今回「277に絞り込んだ」とする共謀罪の適用範囲についても、多くの疑問や問題点があるそうですが…?

高山 テロではなく、マフィアや暴力団といった国際的な組織犯罪防止というパレルモ条約の目的を考えれば、政府がこれまで676もの刑法犯を共謀罪の適用対象としてきたこと自体が問題なのですが、それを「277に絞り込んだ」という今回の法案も実際にその中身を見てみると、絞り込みの基準に一貫した合理性があるとは思えません。


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