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シリア人記者が語る内戦の真実「アメリカのミサイル攻撃の理由は、市民が化学兵器で殺されたからではない」

[2017年05月11日]

「シリア内戦は『ロシアとアメリカの代理戦争』だと言わるが、現実は全く違う」と語るナジーブ・エルカシュ氏

泥沼の内戦が続くシリア。アサド政権が自国民に化学兵器を使い、それに対してアメリカがミサイル攻撃を行なうなど、今年に入っても状況は一向に改善の兆しを見せていない。

日本人にとっては「遠い場所のこと」と思いがちなシリア問題だが、内戦で国外に流出した500万人にも及ぶ難民の存在は、イギリスのEU離脱やヨーロッパ各国で難民排斥を訴える極右勢力の台頭などの一因となり、日本もまたその影響から無縁ではいられないはずだ。

シリアでは今、何が起きているのか? アメリカ・トランプ政権の誕生は内戦の今後にどんな影響を与えるのか? 「週プレ外国人記者クラブ」第75回は、日本在住のシリア人ジャーナリスト、ナジーブ・エルカシュ氏に話を聞いた。

***

─シリア内戦とそれに伴う難民の問題は、今や中東やヨーロッパだけでなく、世界の政治に大きな影響を与えています。しかし日本では今、北朝鮮問題に注目が集まっていることもあり、シリアに関心を持つ人は非常に少ないのが現実です。シリアで何が起きているのか? 内戦の状況はトランプ政権の誕生でどう変化したのでしょう?

ナジーブ シリア内戦はよく、「ロシアとアメリカの代理戦争」だと言われます。しかし、現実は全く違います。アサド政権の側に立つロシアはしっかりと力を入れていますが、一方のアメリカは「口だけ」でシリアの活動家を支援すると言いながら、力を「入れたり、入れなかったり」と中途半端。これはシリアで自由のために戦う人たちにとっては危険で迷惑なやり方です。

その結果、アサド大統領という「独裁者」が率いる政権はロシア、イラン、レバノンのヒズボラによる圧倒的な支援を受ける形で反政府勢力と戦っている。この一方的な状態は「代理戦争」とは程遠い。その意味では、昨年末にシリア北部アレッポの反体制地域が陥落したことは驚きではなく、むしろシリア政府軍とロシアの徹底的な爆撃を受けながら、アレッポが「長い間持ちこたえたこと」のほうが驚きだと言えます。

アメリカはオバマ政権の時代からシリア内戦に関して積極的に関与しようとはしてきませんでした。それはトランプ政権になっても基本的に変わっていません。先日のシリアに対するミサイル攻撃で「シリア問題への関与を避けていたトランプが従来の方針を転換した」と言う人たちがいますが、それは違います。

アメリカによるあのミサイル攻撃は、子供を含むシリア市民が化学兵器で殺されたからではなく、「イスラエルの脅威となるような大量破壊兵器をシリアが持つことは許さない」というアメリカのメッセージだと捉(とら)えるべきでしょう。


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