左がヤフオクのフリマモードで右がメルカリのトップ画面。レイアウトはよく似ているが、実はヤフオクのトップページからこのフリマモードに移る方法がわかりづらく、相当時間がかかった。やはりライトユーザーにはメルカリが使いやすい印象

インターネットを介した不用品売買といえば、長らく『ヤフオク!』の一強だった。しかし、その勢力図を大きく変えたのが、フリマアプリ『メルカリ』

ヤフオクとの大きな違いは、売り手の設定価格で買い手がつけば、すぐに売買が成立するところ。出品したものが時間をかけて高値になるうまみはないが、即決できる手軽さが強みだ。

メルカリ成功の背景について、経済評論家の加谷珪一(かや・けいいち)氏はこう語る。

「オークションで買う側の醍醐味(だいごみ)は、時間をかけて検索したり、値段をじっくり吟味すること。ですから、パソコンでじっくり参加することに向いているシステムといえます。一方のフリマはスマホをパッと開いて良いものがあればすぐに買える。即効性があり、スマホと相性がよく、今の時代に合っているのです」

だが、ヤフオクも時代の変化に気づいたのか、今年の2月から「フリマモード」をスタートさせたことを絶賛PR中。メルカリのように売る側が価格を決め、即決で購入できるようになったというが、実はヤフオクには、昨年6月よりこの機能が「ワンプライス出品」という名前で存在していた。

つまり、実際は名前を変えただけなのだが、これを機に出品時にかかっていた手数料を無料にして、ライトユーザーの取り込みを強化している。名前を見ても、なんとかメルカリの台頭を阻止したいという狙いが見て取れるが…。

「『フリマモード』という名前が、メルカリの存在を意識していることは間違いないでしょう。しかし、ヤフオクはフリマへの参入が遅すぎました。このビジネスモデルは多くのユーザーが参加することで成り立つので、後発はかなり不利になります」(加谷氏)

単純に出品数を比較すれば、ヤフオク全体だとメルカリに圧勝しているが、フリマモードに限定すると事情は変わってくるだろう。現状では正直、ヤフオクのフリマモードの使い勝手の悪さは否めない。というわけでメルカリが優勢!

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(取材・文/井出尚志 渡辺雅史 高山 恵[リーゼント])