週プレNEWS TOP 連載コラム 週プレ外国人記者クラブ 記録的な「棄権・白票・無効票」の多さ…マクロン新大統領は“フランス社会の分断”を修復できるか?

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記録的な「棄権・白票・無効票」の多さ…マクロン新大統領は“フランス社会の分断”を修復できるか?

[2017年05月25日]

負けたとはいえ、国民戦線のル・ペン氏が34%の得票率を得たことは軽視できないと語るメスメール氏

「フランスのトランプ」とも呼ばれ、EU離脱や移民排斥を訴える極右政党「国民戦線」の女性党首、マリーヌ・ル・ペンが大統領になるのか…世界中が固唾(かたず)を飲んで見守ったフランス大統領選挙の結果は、既存の政党に属さない39歳の新人、エマニュエル・マクロンの圧勝に終わった。

今回の選挙結果が意味するものとは? 「週プレ外国人記者クラブ」第77回は、「ル・モンド」紙東京特派員、フィリップ・メスメール氏に話を聞いた――。

***

─フィリップさん自身も、東京で在外投票に行かれたのですか?

メスメール もちろん行きましたよ。東京のフランス領事館で在外投票をするのですが、1回目の投票の時に1時間待ちの行列ができていたのと比べると、決選投票の時はちょっと人が少なかったような気がしました。

選挙結果については、とりあえずル・ペン氏が大統領にならなくてよかったというのが正直なところです。個人的にも、彼女の基本的な政策や考え方、国境を閉じる…という方向性がフランスの将来にとって良いとはとても思えない。ル・ペン大統領誕生という最悪の事態を回避できたという意味ではよかったと思います。

─フランスに極右政権が誕生し、イギリスに続いてEU離脱の方向に舵を切るのではないかと心配する声もありましたが、終わってみれば2回目の決選投票ではマクロン候補の(有効投票数に対する)得票率が約64%という圧勝でした。

メスメール ただ、逆の見方をすると、ル・ペン候補の得票率は約34%あり、これは彼女の父親で国民戦線の創始者であるジャン=マリー・ル・ペン氏が15年前の大統領選挙で得た得票率のおよそ2倍です。

そして、今回のル・ペン氏の敗因は投票日直前のTV討論会で致命的なミスを連発して自滅し、大きく票を失ったからだと言われています。つまり、彼女がこの討論会で失敗を犯さなければ、最終的な得票数はもっと多かった可能性がある。EU離脱や移民排斥を訴える極右政党の党首が、フランス大統領選挙でそれだけの支持を得たということの意味は軽視できないと思います。

─大きな注目を集めた選挙であったにも関わらず、投票所に行かなかった「棄権」が約25%と、フランスの大統領選としては投票率が異例に低かった。投票された票の中にも「白票」+「無効票」が9%近くもありました。

メスメール 今回の選挙でマクロン氏が勝利した最大の要因は、私と同じように「ル・ペン大統領誕生という最悪の事態だけは避けたい」という有権者の意志だったと思います。別の言い方をすれば、マクロン氏が多くの有権者から圧倒的な支持を得ていたというわけではない。

1回目の投票で予想を上回る健闘を見せた「急進左派」のジャン=リュック・メランション候補も、自身が敗退した後の決選投票では自らの支持者に「ル・ペン阻止」は訴えましたが、「マクロン支持」は表明しなかった。実際、マクロン大統領誕生とほぼ同時にフランスでは「反マクロン」のデモも起きていますし、従来のオランド政権路線の継承者と見る人も多い。

彼が現時点で革新的なアイデアを示せているわけではありません。低い投票率や白票、無効票の多さはそうした「本当に投票したい選択肢がない」という有権者の声を反映している面もあったと思います。


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