抜群のスタイルとセクシーウエアが話題となったアン・シネ。残り少ない日本での試合で勝利すれば、さらなるフィーバーが巻き起こることは必至だ

セクシークイーンのアン・シネがついに日本ツアーに参戦ーー来日前からこれほど注目された韓国女子プロゴルファーを見たことがない。

ツアー初戦となったワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで41位タイ。翌週のほけんの窓口レディースは予選落ちしたものの、社会現象になるほどのフィーバーぶりは“異常”とも思えるほどだった。

韓国でつけられたセクシークイーンの愛称にふさわしい、豊満なバストが強調されたタイトなウエアと、膝上30cmのミニスカートに男性ファンの目は釘づけになった。また、ホールアウト後に列をなしたギャラリーすべてにサインをするなど「これぞプロ」というサービス精神でファンの心をわしづかみにした。

虜(とりこ)になったのはギャラリーだけではない。彼女の一挙手一投足をスチールカメラマンだけでなく、ワイドショーや報道番組のTV局カメラも追いかけた。しかし、大勢のメディアを前にしてもアン・シネは臆することなく、レンズを向けられれば愛嬌(あいきょう)たっぷりに手を振り、質問にも真剣に答えた。

日本で出場した2試合をふり返った際には「生涯で一番幸せな2週間です」と涙ぐむ場面も。韓国ツアーでも人気を誇る彼女だが、ここまで熱狂的に迎えられるとは想像していなかったのだろう。

韓国に戻ってすぐ、自身のインスタグラムで感謝の気持ちを日本語のメッセージで投稿すると、そこには次回の来日を楽しみに待つファンのコメントが多数寄せられた。

だが、今季に日本でアン・シネを見られる機会はそう多くはない。日本のファイナルQT(予選会)で45位だったため、出場できる試合が限られているからだ。

「今季は日本で8試合程度、韓国ツアーで20試合の出場を予定しています。とにかく今年は限られた日本の試合のなかで賞金シードを取りたいです。優勝もできればいいですが、シードを取れなければ、またQTを受けることも考えています」(アン・シネ)

8試合でシードを獲得するのは難しいが、彼女の実力と実績からすれば、決して不可能ではないだろう。

小学3年生のときにニュージーランドに移住し、そこで本格的にゴルフを始めて才能を開花させ、同国代表に選出された。2008年に韓国でプロ転向すると、10年に年間2勝して賞金ランキング3位に。その後はなかなか勝てずにいたが、15年にメジャー大会で勝利し「外見だけの選手」という声を黙らせた。

「『努力していない』という声に傷ついたこともあったけれど、周囲からも認められて、今は楽しくゴルフができています。今年は日本にいられる時間が少ないので、ファンのためにベストを尽くすことが大事だと思っています」

日本の印象について、「一度、住んでみたい国でしたし、料理も大好き。それに日本のコースは戦略性が高く、頭を使うので、私に合っているとも感じています」と語るアン・シネ。

日本語を少しずつ勉強しており、すでに数社から写真集のオファーも届いているという。日本で1勝でもすれば、16年の賞金女王であるイ・ボミ以上のブレイクも期待できそうだ。

(取材・文/金明昱 撮影/スエイシナオヨシ)