まさかの判定に愕然とする村田と歓喜するアッサン・エンダム(仏)。判定が下された瞬間、関東地区の視聴率は23.2%に上った

5月20日、観客のみならず、テレビの前にいた多くの視聴者も、WBA世界ミドル級新王者になるのは村田諒太(りょうた・帝拳)だと疑わなかったはず。

しかし、まさかの1-2の判定で村田は敗れる。ボクシングライターの原功(いさお)氏は、「常識的にはありえない採点」と憤った。

「まったく納得できませんが、とにかく手数だけを評価したということではないでしょうか。ただ、村田選手はベルトこそ手にできませんでしたが、新チャンピオンと同等以上の力があることを世界に証明しました。いずれ訪れるであろう再チャレンジの機会に期待したいです」

一方、21日に5度目の防衛を果たしたWBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(なおや・大橋)を、原氏はこう評す。

「力が違いすぎましたね。9月のアメリカ進出がほぼ決定し、いよいよ国際的なスターになる日が近づきました。若く伸びしろも十分。将来的に、ファイティング原田以上の選手、日本人歴代最高のボクサーになる可能性も十分にあるでしょう」

勝敗こそ明暗が分かれた村田と井上。しかし、どちらにとっても、本当の戦いはこれから始まるといえそうだ!

(写真/時事通信社)