「脱毛レーザーの強烈な痛みをガマンしたのに剛毛はそのまま。火傷と変な斑点だけが残りました…」(大阪府の20代男性)

5月、消費者トラブルに関する研究、情報提供をしている独立行政法人「国民生活センター」は、2012年以降の約5年間で脱毛施術よる被害の報告が964件寄せられたことを発表した。

被害件数は13年度以降減っていたが、16年からは再び増加傾向にあるとのこと。脱毛トラブルにおいて、被害者の多くは女性だ。しかし、メンズエステや男性の永久脱毛を取り扱う医療機関が増えているのに伴い、“男の脱毛トラブル”も続発している!

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脱毛トラブルは「医療機関」と「エステ」の両方で報告されているが、そもそも、両者の違いは? 稲見医師はこう説明する。

「医療機関とは、病院やクリニックのことです。永久脱毛は毛を作る細胞をレーザー光線などで破壊することで達成されますが、医師法はこれを医療行為としている。つまり法律上、永久脱毛ができるのは、医師免許を持った医師や医師の指導を受けた看護師がいる医療機関だけということになるんです」

では、エステは?

「公的な資格を持たないエステティシャンが施術をします。医療機関で使われる医療レーザーより照射パワーが弱い光脱毛(美容ライト脱毛)を扱うのが一般的です。エステでは永久脱毛をすると医師法違反になるため、施術効果は一時的な除毛・減毛にとどまります」

先述した国民生活センターに寄せられたトラブルの報告964件のうち、医療機関での被害は284件。エステは680件にも上っていた。

◆『週刊プレイボーイ』26号(6月12日発売)「急増中 ヤブ脱毛の惨劇!!」では、横行する“ヤブ脱毛”の被害者の悲痛な声を聞きながら、“ヤブ”を生んでしまう構造にも迫る。是非お読みください。

(取材・文/興山英雄 イラスト/ハマちゃん)