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核武装“臨界点”の北朝鮮に日本が唯一できること――内部崩壊させるアクションで民主化は可能か?

[2017年06月28日]

日本にできることは北朝鮮や中国民へ主化を促すことだと語るモーリー氏

『週刊プレイボーイ』本誌で「モーリー・ロバートソンの挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソン。北朝鮮が主導する極東ゲームの状況下で日本が唯一できることについて語る。

* * *

“Tear down this wall(この壁を壊しなさい)!”ーー今からちょうど30年前の6月12日、西ベルリンのブランデンブルク門で、アメリカのレーガン大統領は旧ソ連のゴルバチョフ書記長に向けてこうメッセージを発しました。この2年後、実際にベルリンの壁は崩れ去り、その2年後にはソ連も崩壊。東西冷戦は民主主義陣営の勝利に終わりました。

翻(ひるがえ)って、今のトランプ大統領に、そのような強いメッセージを期待することは難しいようです。当初は北朝鮮に対して武力行使を含むあらゆる選択肢を示唆しながら、その強硬姿勢も気づけばトーンダウン。それどころか、政権自体が“ロシアゲート疑惑”で沈み始めています

言い換えれば、現在の極東アジアの“ゲーム”は北朝鮮主導で進められており、金正恩(キム・ジョンウン)政権は完全なる核保有国となるべくラストスパートをかけているわけです。核武装さえできれば、アメリカだろうが中国だろうが、あらゆる圧力に屈する必要がなくなりますから。

かといって、中国もまったく頼りになりません。建前上、「非核化せよ」とは言うものの、本音としては北朝鮮の核武装のほうが、米軍が中朝国境まで進出するよりはマシだからです。ロシアはこの混沌(カオス)をほくそ笑みながら見つめ、イランは北朝鮮に近づいて核技術を狙っている。そして、韓国では“親北政権”が誕生し、見返りなどまったく期待できない対話路線へ舵(かじ)を切ろうとしているーー。

各国の事情と思惑が複雑に絡み合うなか、北朝鮮の核武装という“臨界点”は日に日に近づいています。それを超えたとき、いよいよアメリカが軍事オプションを発動するとの見方もありますが、そうなると待っているのは“壊滅的な戦争”です。

そんな状況下で日本にできることは何か。それは、積極的に北朝鮮や中国のレジーム・チェンジ――つまり民主化を促すことではないかと僕は考えます。とても難しいことですが、やらないよりはマシで、ほかにやれることはない。北朝鮮と中国が現体制のままでいる限り、対話は本質的に意味を持ちませんから。


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